2007年04月03日

退職と、就職と。

 両方が、一気にやってきました。
 3月末日づけで今までの病院を退職。4月1日づけで、新しい病院に就職しました。

 …おやすみ、取れば良かったかなw

 時間がとれたら、きちんと整理して書き残しておきたいなぁって思っています。

 うみさんは相変わらずです(^^)

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2007年01月08日

これは

 チャンスの神様の前髪なのかな。

 あまりにもタイミング良く現れたから、戸惑っている。

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2006年09月25日

あら。

 ちょっとぼんやりしてただけのつもりが、あっという間に前のエントリを書いてから一ヶ月近く経っていた。びっくりですょ。

 中旬はいろいろとへこむことがあったですょ。


 だれが悪いわけでなくても、9年ぶりに来院ー入院したご高齢わんこさんのご家族に、翌日安楽死を依頼されたらやっぱりへこむ。寝たきりわんこさんのお世話の大変さは並大抵ではないから、おうちのおかーさんが座って作業ができない状態ではどうにもならない。そんなことはわかっている。

 突然呼吸が悪くなって、救急にかかったねこさんがいる。翌日来院されたので調べてみたら、胸に水が溜まっている。その水がどんなものか、病理検査に出して、癌性のものだとわかったころには、かなり具合が悪かった。胸水が溜まるねこさんの腫瘍には、抗がん剤の効果がかなり期待できるものもあるのだけれど、それはその腫瘍ではなかった。あまりの苦しさに、おうちのひとの選択肢のひとつに安楽死も提示した。おうちのひとたちで、意見がわかれていた。内科的治療(といっても、根本的治療ではなく、QOLを維持するためだけの加療だ)で、いったん楽になったように見えたが、翌日急変して亡くなった。

 同じように呼吸が悪くなって、ひさびさにやってきたわんこさん。こちらはレントゲンで、胸いっぱいに、腫瘍が転移したような影が写っていた。確定診断よりも対症療法を望まれたので、治療を開始して、いったんよくなったものの、数日もしないうちに悪化して亡くなった。本当にあっという間だった。

 そんなこんなが続いていた。よくなっていく子たちももちろんいるのだけれど、印象に深く残るのは亡くなってしまった子ばかりになる。いつか書きたいと思っているけど、まだ気持ちが落ち着かなくて、書けないこともある。

 それでも、元気に過ごしていたのは、プライベートに予定を次々放り込んで、何かと忙しくすることができていたからだと思う。

 久しぶりにプールに行ったり、ビリヤードにはまったり、整体に行ったり(重要)、合唱の練習に行ったり、友達のお芝居を観に行ったり、飲み会があったり、焼き肉食べに行って延々話して漫画読んで帰ってきたり、帰省したり旅行に行ったり。
 そしてこれからも。

 またぼちぼちとネタにしていきたいと思っている。
 ぼちぼちではあるけれど。

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2006年09月03日

「天職」を感じた日。

 ちっちゃいころからイキモノが好きで、それが高じてじぅいになったと思われているから、小さい頃からの自分を知っている、当時からオトナのひとたちには、「天職ねー」って言われることが多いのだけど、自覚や実感をしたことって、実を言うとそれほどあるわけじゃない。

 それが。
 それほど珍しくも難しくもない手術。しかも執刀は院長。自分は助手。というシーンで。薬の使い方(感染のコントロールだけでなくて、注射/ガス麻酔やペインコントロールその他含む)や術前処置から術中、術後処置まで、「○○ちゃんのために〜」なんて思いながら頭の中で構築しているうちに、変な高揚感がやってきた。

 公私共に、普段では滅多にやって来ない充実感。

 寝不足で多少ハイになりやすかったのもあったのだと思う。
 けれども、自分の仕事がなんてエキサイティングなんだ! って感動したのは、本当に久しぶり。

 もうすっかりベテランなキャリアになってしまった割に、まだまだ勉強も経験も不足していると思っている。似たような症例には日々たくさんたくさんぶつかるけど、わんこにゃんこたちの生活環境も考慮すると、どんなに単純に見える症例でも、全く同じなんてことはほとんどないわけで。
 
 同じことの繰り返しがないってのは、なんて興味深いことだろう。って思ったりもしたのです。完治は見込めなくても、できるだけ快適な結果を提供する。なんか素敵なことじゃないかー。

 こういう風に感じることができるから、天職って言うのかもしれないなーって、興奮がさめてから思い返してた。
 仕事でへこむことも多いから、そのときの自分のために書き留めておく。


 今の仕事に携わったことを幸せに思え。
 ものすごくやりがいのある仕事をしているぞ。
 だれが認めてくれなくても、自分で認めろ。
 これが多分、自分の天職。
 他に何もなくても、どんなに辛い目に遭っても。

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2006年08月17日

なにができるか。

 寝たきりになりつつあるわんこがいる。
 既に17歳。ご高齢のミックスわんこさん。
 
 体格が小さくはない。こういう子が寝たきりになった状態でうっかりしてると、すぐ褥瘡(床ずれ)ができる。体重はどんどん減っていく。寝たまま排尿することもあるから、被毛は汚れ、皮膚がただれてくる。
 
 それが、このわんこさんは、とてもとても管理がいいのだ。
 
 毛は常にふわふわ。体重は、立って歩いていたころに比べたら格段に落ちてはいるものの、そこからは一定をキープ。排尿に備えてのおむつは、市販のペット用おむつでは勝手が悪いとのことで、おかーさんが、わんこさんの体格と用途にあわせて、改良に改良を重ねていた。
 
 そのおかーさんが、胃にポリープができたから、切除のために入院するとおっしゃったのが、6月の下旬頃だったろうか。
 
 ご主人が退職して、わんこさんのお世話を一緒にしてくれるようになっているものの、何しろ「私がいつもやっていて、主人は慣れてないから不安」だと、ご自身が入院される前は来るたびおっしゃっていた。何かあったら何でも対応しますから安心してくださいねー。と、そのたび答えていたのだけれども。
 
 2週間と聞いた入院の予定が、まだ延びている。
 たまにいらっしゃるご主人には聞けず、わんこさんの具合ばかり聞いていた。

 
 数日前から、昼夜を問わない夜鳴きがはじまったとのことで、ご主人が疲れ切って、わんこさんを連れてこられた。わんこさんは年の割に認知症はそれほどでもない(というか、白くなった目でも、こちらを確認しようとするのだから、それほどぼんやりしているわけではない)けれど、何を要求して鳴いているのか判らない。
 
 わんことふたりきり。
 老犬は夜中も朝方も鳴き続ける。何を要求しているか判らないおとーさんは、何をしてあげられるわけでもなく、寝るにも寝られず。
 途方に暮れる。
 眠れないのは、非常に強いストレスになる。
 
 おかーさんが入院している間も、わんこさんはきれいに保たれ、しっかり介護してもらっているようで、体重も全然落ちてない。
 これだけの看護をひとりでするのが、どれだけ大変なことか。
 
 すぐにわんこさんをお預かりする用意をした。
 
 わんこさんをお預かりするとき、おとーさんが静かに、おかーさんが週末に一時帰宅できそうだから、そのときには元気な状態のわんこと一目会わせたい、と、おっしゃった。
 
 おかーさん、よほど悪いのか。
 入院前から、とてもとてもわんこさんのことを心配していた。きっと今も、病床でわんこさんのことを気にしているんだろう。

 わんこさんは、もともとおうちのひとにも自由に触らせないような性格だった。
 年をとって自由が利かなくなったから、思う存分さわれるようになったんですよー と、嬉しそうに言ってたおかーさん。
 おむつの改良に、どんな工夫があるか、ものすごく熱く語ってくれたおかーさん。
 
 元気なわんこさんに会って、改めて治療に専念してほしい。
 
 おとーさんは、おかーさんの心配をして、病院に通って看護して。おうちでは、わんこのお世話や介護をして、自分の面倒も見て。会社勤めのころにはあまり思いもしなかった類いの「たいへん」のさなかにいるのだと思う。
 体の自由の利かないわんこさんとふたりきりで暮らすストレスを軽減してあげたい。介護がストレスにならないように、少しでも楽にお世話が出来るように考えたい。
 
 
 どれだけの手助けが出来るだろう。
 いまそのことを考えている。
 
 あとは祈るばかり。

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2006年07月11日

離乳前 vs(?!) うみさん

060711.jpg

 保護されてきたこねこたち …のうちの2匹。おかーさん猫が、庭先にこねこたちを残して事故死してしまったとのことでの保護。おうちでは育てられないからという理由で預かった。(現在、保護主さんが激しく里親を探している最中)

 離乳前の子猫を育てるのは久しぶり。何度育てても、毎日ぐんぐん育っていくのが楽しくて興味深い。そんでもってかーわいい。

 哺乳のために、自宅に連れて帰ったものの、玄関先で出迎えてくれたうみさんが既に不審な顔。
 以前は子猫入りの箱には近づけもしなかったのだけど、今回は近づいてくんくん。ダンボールの中を覗けるように、折りたたみの椅子をそばに置いたら、登って覗いていた。

 そのあとは私に愛想がない。いつもはべったりなのに、寄ってこない。しばらくはなんとなくつり目。音がするたび気になって仕方がない模様。
 数時間後、授乳を始めた。呼んだら見に来たものの、私がいじっているのが気に入らないのか、箱を覗いて、小さく「しゃーっ」。3回くらい言ってから去っていった。
 そしてベランダへ。
 いつもより長く出ていた。

 部屋に入ってきたころには、気が済んだのか落ち着いていて、いつものところで眠っていた。
 朝の授乳は、見に来なかったけれど、怒りもしなかった。

 若干不機嫌。くらいで乗り越えることがわかったものの。うちに迎えるわけでもないのに連日ってーのはちょっとかわいそうかなぁ。ってことで、今日は他のスタッフが連れて帰っている。

 写真はまだあるからアップしちゃおうかなぁ。

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2006年07月07日

ドッグトレーニングセミナー

 イアン・ダンバー博士による、ペットドッグトレーニングセミナーの一環としての、獣医師向けのセミナーに行ってきた。たまたま自分の定休日に当たっていたのがラッキー!

 ということで、感想は後日。

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2006年06月25日

信頼は。

 努力に裏打ちされた自信があれば、自然と得られるものなんだ。

 ……て、思うことにしよぅ。
 過大評価(自信過剰)はとてもよくないことだけど、過小評価もあんまりよくないことかなぁと思う機会が増えてきた。

 勤勉であることは、自信につながるのだと思う。
 今の自分が、できる範囲めいっぱい頑張っているわけではないことはわかってるけど、毎日を無駄にしないで、無理のない範囲でがんばろぅぅ〜。

 なんだかとても「うまく表現できてない」気がして仕方がない。頭がクリアなときに、もう一度考えようぅぅ。

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2006年06月07日

ぼやき など。(小動物臨床での歯科

 ところでワタクシ、自分の職場での歯科処置は、ほぼ99%くらいの割合で担当するわけです(残りは休んじゃったとか、院長の犬とか親戚の犬とか)。あぁでも、歯科専門ではありません。一般診療が主なオシゴトです。職場もふつーのちっちゃい動物病院だから、年間にやる歯科処置の数も、100に届くか届かないかくらい。あぁでも、麻酔をかけての手術や処置は、基本的には一日1件しか取ってないことを考えると少なくはないのか。

 で、主にわんこの歯石歯周病関連の話。

  トリミングとかで、ついでに歯の表面の歯石を落としてもらってるから、表面もきれいで大丈夫ってー話も聞くけど、犬の歯科で本当に厄介なのは、歯周ポケットとそこに溜まる歯石。そして歯肉や歯槽骨の退縮。これは麻酔をかけないとチェックも難しい。さらに、犬猫はひとよりもエナメル質が薄いとのことで、きちんとした処置でないと、歯石と一緒にエナメル質を剥がすこともあるらしい。

 そんなこんなで、麻酔下での歯科処置をお勧めするわけですょ。

 ところでうちの職場では、数年前から超音波スケーラー単体ではなくて、動物病院での歯医者さんが使うような機械を使うようになった(導入している動物病院はまだまだ少ないと思われる)。これに、けっこう高圧で、エアと水を同時にも別々にも噴出できるヘッドがあって、歯周ポケットの汚れを発見するのにも非常に役に立つ。普通の状態では見えないとこもぴかぴかにできるようになった。

 歯周ポケットの掃除がきれいにできるようになって、何が変わったかというと、処置にかかる時間。特に歯周病がひどくて、ポケットが深くなっている子に関しては、歯の表面だけをきれいにしてときよりも確実に時間がかかる。

 歯石や歯周病がひどくなってる子たちは、シニアさんが多いから、事前検査や当日検査をする。検査結果や持病によっては、導入に使う麻酔薬も、一般の麻酔よりも作用時間が短い(多少高価なもの)を使用する(その後ガス麻酔に移行する)。抜歯をする場合には鎮痛剤も使う。作業中は付近にいろいろが飛び散るから、普通の手術よりも後片づけがたいへんなことになる。歯科用の機械そのものが、エコーやレントゲン機械並の値段がする(いやどれも販売価格には幅がかなりあるとは思うけれど)。

 それでも、処置にかかる費用が高いと思うひともいるらしく。
 初期投資はえらいことになってるんだけどなぁ。。
 超音波スケーラーにマイクロエンジンだけとは、仕上がりが違う(初期投資もかな〜り違う)ってこと、どうやって患者さんにお伝えしていけばいいんだろうなぁ。
 ちっちゃい手術の方が、よっぽど実入りがいいし、らくちんです。えぇ。避妊/去勢の方がよっぽど楽。だいたい若くて元気な子だし。(……そういう理由で、歯科処置をやってない動物病院があるのかなぁと今思い至ってみた)

 そういえば、先月転院してきた高齢ねこさん。主訴は「口が痛くて食べられない」。調べてみたら問題は歯周病(口内炎ではない)。しばらく抗生剤を投与して、落ち着いてきたところで歯科処置をしたので、おそらくもう問題はないと思われる。転院してくる前、もともとかかっていた病院では、口が痛いことについては「もう手遅れ」と言われて、何年も鎮痛/消炎目的で長期ステロイド投与されてただけだったとか。これは痛みだけをコントロールしているだけで、根本的な治療ではない。根本的治療が可能な病気に対して、うわべだけ繕ってる状態にしか見えないわけで(これについては怒り心頭気味なので、クールダウンしたらそのうち書こうと思っている)。

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2006年06月06日

ノラさん(シロさん)のこと。

 職場から、小さな道を挟んだお隣のおうちの庭で、お昼寝をしている白猫の姿に気が付いたのは、確か2月ごろだったと思う。
 
 昼休みになって、職場の2階にあがり、お隣の庭を見下ろすとどこかにいる。最初は庭の隅だったのが、だんだん大胆になってきたのか、そのうちベンチの上で大の字になってたりする姿まで見るようになった。
 
 先日。その猫が運び込まれてきた。飼っているわけでも世話をしているわけでもないノラさんで、触ったこともなかったそうだ。
 ノラさんが突然血を吐いたとのこと。庭先でそれを見かけたお隣さんは、夢中でそのノラさんをふん捕まえて、病院に飛び込んできたのだ。

 
 口からの大出血。よくよく観察すると、上口蓋からだくだくと出血している。
 なんとか止血をしたが、ものすごい貧血。。。
 
 処置、治療を施していても、回復しはじめるまでの数日は、命が危うい状態だった。原因はよくわからないままだが、恐らく止血機能に異常をきたすような毒物を摂取したのではないかとか、上口蓋に何か刺し傷を作ったか(可能性としては低そう)と思われる。
 
 そうこうしながら約一週間。ノラさんは徐々に元気を取り戻し、ちょっと食べ過ぎじゃないかというほどご飯を食べ、グレーっぽい毛並みも白くなってきて、スタッフの顔を見たらごろごろいいながら頭をすり付けるようになった。
 
 もうそろそろ元の場所に返しても大丈夫ですよー(と言っても、お隣さんはノラさんには寛容なので、追い出したりはしないと思われる)。
 ということで、先週末に迎えに来てもらった。
 
 ノラさんをケージから出して、診察室に向かおうとしたら、ノラさんがいきなり暴れはじめ、渾身の力を振り絞って、手を振りほどいた。
 
 そしてダッシュ!
 一目散に駆けていくその先は。
 
 自分がいた、元のケージ。
 
 老体なのに、ジャンプも軽やかにケージに飛び込み、自分がベッドにしていた、タオル敷きの箱に入って、「しゃーっ!」
 
 …外よりそこがいいですか。。
 
 かといって、病院に住んでもらうわけにもいかない。結局また捕まえて、お帰し。病院の窓からみていると、お隣さんはノラさんを大事に抱えて運び、自宅の門を入ったところで下ろした模様。
 
 5分ほどして、別の入院している犬を散歩していたスタッフが帰ってきた。入院わんこは病院の裏から出入りをしている。
「今、シロさん(ノラさんの愛称)、病院の裏を走ってましたよー」

 ……油断したら病院に帰ってきそうな勢いだ。
 
 その後ノラさんの姿を見ることがなく、日曜日の休診日も、当番スタッフは姿を見なかったと言っていた。
 
 それが。今日。
 昼休みにふとお隣の庭を見下ろしてみると、ベンチにノラさんの姿が。
 スタッフを呼んでみんなで眺める。いいねぇ、気持ちよさそうに寝てるねぇ。
 
 あとになって、スタッフが「シロさーん」と呼んでみたとのことだけど、逃げていっちゃったとか。眼光も鋭く、野性を取り戻した感じだったという感想だった。
 
 まぁそれでも。安心したんだよ。

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2006年06月05日

仕事がいちばん盛り上がる日

 土曜の午前中、あまりにもこんでいて、自分が把握しているだけでも、二人…というか、二件分の患者さん(わんこにゃんこ1頭あたり、家族がひとりとは限らないので何人いたやら)がお帰りになってしまった。

 いくらこんでたとはいえ、仕事が回ってないっていうのもどうかと思うけれど。。。
 午後も夕方からは似たような状況に。さらに一日を通して、時間がかかったり大変なことになったりの患者さんも少なくなかった。どんなにこみあってても、説明や処置その他をおろそかにするわけにはいかないから、さらにこみあってしまったりするわけで。
 ほへ。

 6月のスケーリングの数の多さを、呪いのようだと嘆いていたけれど、「修業の時期だと捉えるべき」(ちょとニュアンスが違うが)というようなことを言われて、それもそうだと思い直した。そうこうしているうちに、ますますスケーリングの予約が入っているけれど、それでもなんとかなる予定(今月はもうほとんど予約でいっぱいになって、口腔に関連のない手術/処置がそのうち一件しかないという有り様ではあるw)。あれから、右腕〜肩〜首はめっきり楽になった。
 6月は、自分的には、口腔処置の強化月間。ってことで。


 今までのジンクスといたしましては。「仕事が忙しいっ!」って書いたら、外来が減るのです。
 あぁいそがしいいそがしい〜っ。
 んでも、そろそろピークは越えたはず。

 ところで、心臓疾患になってしまったマルチーズさんに説明をしていたら、おねいさんがいきなり「私もこの2ヶ月、心臓がどきどきするようになったの。コエンザイムQ10を飲みはじめてからのような気がする」と。
 いやここはどぅぶつびょういん…。
 おねいさんもハタと気づいて話を引っ込めてしまったけれど。
 ……それは、服用を中止するか、その製剤を持って病院に行った方がいいんじゃないかしら(一応言ってみた)。

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2006年05月31日

5月下旬

 この時期の職場は非常にこみあいます。
 フィラリア予防は、うちの病院では5月下旬〜11月下旬。投薬前には、安全のために血液検査をしましょうね。ってーことで、わんこがたくさんたくさん押し寄せる。非協力的な子もいるけど、採血採血。中年期以降のわんこさんには、ついでに血液での健康チェック(生化学検査)もお勧めしたりする。意外と高脂血症の子も少なくないという現状…

…なのは毎年の出来事なのだが、去年は比較的楽だったのか、ログをさくっと見てもそんな話題は見当たらない。うーむ。おかしい。

 ついこの間、仕事から帰ってきて、体は疲れているけど頭がさえてて眠れないなどという話を周りにしていたのだが。ここ数日は帰り着いたらそのままばったり倒れ込んで、気が付いたら 2〜3時間後。そのまま起き出したり寝直したり。

 今年は「5月末日まで」っちぅ限定ものの催し物をはったからかもしれない。
 体中痛いけど、とりあえず、部分的に特に辛い というのはなくなった(多分)。

 来年はどうなっているのやら〜♪
 明日までが勝負なのかなー。

 ながなが闘病していたわんこが亡くなった。
 もう一頭は、腫瘍が元で、その子自身の日常生活に支障が出はじめたので、安楽死の依頼がきた。
 どちらも口腔内悪性黒色腫。こんなに挙動の悪い腫瘍ができながら、二頭とも頑張っていた。おっきくて気のいい子がいなくなる。寂しくなるなぁ。。。

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2006年05月21日

本:犬語の世界へようこそ! カーミング・シグナル 

 トゥリッド・ルーガス著 テリー・ライアン監修

 犬のトレーニングの勉強をしていた友人から借りた本。
 …を、ようやく入手した。

 ひとことで言うなら、犬と関わるひと全てが、読まなくてはならない本。だと思う。
 犬と暮らしているなら、犬と仲よくなりたいなら、犬が何を言ってるかもっと理解したければ。ぜひぜひ、読んでください。

 さて。
 カーミング・シグナルというのは、犬同士が「健全な社会階級の維持および集団内の対立回避のために活用している」ボディランゲージのことだ。
 読めば、犬と接しているひとなら、目にした行動が必ず出てくる。

 例えば、「来い」と何度も厳しく言っているにも関わらず、辺りの匂いを嗅いでいるばかりでなかなか近寄ってこない。怒れば怒るほど、犬の動作は緩慢になり、こちらをばかにしているように見える。腹が立つ。
 なんてことになったことはないだろうか。
 でも。
 決して犬は人間をばかにしているのでもなんでもない。あなたが怒っているから、冷静さを取り戻してもらうためのシグナルを一所懸命送ってきている。それでもますます怒りはじめるから、わけがわからず戸惑っている。

 自分の犬が、言うことをきかないと言う前に、その子が何を自分に伝えようとしているか、知ることも重要ではないか。
 相互理解があれば、信頼も早く築けるし、犬の出すサインで、何を伝えようとしているかわかることもある。しつけももちろん重要だが、カーミング・シグナルも、犬と一緒に暮らす上では欠かせないと私は思う。

 一般の本ではないので、販売しているところを探していた。

パップスフレンズ (PUPS FRIENDS)
 トップ → トレーニンググッズ販売 → 書籍/ビデオ
 (ページの一番下。カーミング・シグナルのビデオの販売も)

 メールで注文。すぐにお返事をいただけます。
 本もすぐに送ってくださいました。
 こちらの代表ご本人は、犬のトレーニングに携わる傍ら、外国人講師が来日しての公演の際の通訳もされている方です。

 余談〜。
 地面を嗅いだり、動きが緩慢になるシグナルは、特に動物病院の入り口(もしくは診察室の入り口)でよく見られます。
 普段は聞き分けがいい子なのに、このときばかりはオーナーに呼ばれてもそばに来ません。動物病院を怖いところだと思っているならなおさらで、そんな怖いところから「来い」と呼ばれたら、不安にならないわけがない。くんくん。とろとろ。
 動物病院の入り口で、犬がそういう行動を見せても、くれぐれも叱ったりしないでください。さらに不安を煽って逆効果になるだけなので。もし急いでいる場合、危険でなくて、可能であれば、抱き上げちゃった方が早いかと思います。

 さらに余談。
 診察台の上で怖がってじたばたしたり慌てたりしている犬を、叱りつけないで! 大声を出したりもしないでください。犬を怖がらせる以外に大して役に立ちません。(獣医にとっては仕事の邪魔でもあります)
 診察台に乗っていられることをほめ、優しい声をかけてなでてあげてください。
 ただし、怖さのあまりオーナーに登っていくわんこや、パニックになって大暴れするわんこに関しては、オーナーに診察台から離れていただくことも多々あります。

 もっと余談w
 パップスフレンズで、本とビデオを購入したときに、訓練用のクリッカーをおまけでいただきました。
 折しも、「ねこのきもち」のおまけ新聞では、藤井先生が、クリッカーを用いた自宅ねこの訓練を紹介している。うみさんにも何かを教えてみようかしら。まずはクリッカーの意味から。かなぁ。

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困った。

 どうも右腕(利き腕)がおかしい。
 痛みを感じはじめたのは19日午後。部分的にしびれのような違和感もある。右肩甲から首、肩、右腕。
 ものをしっかりと握るのが難しくなった。
 ちょっと前から、注射液の入ったバイアルをときどき落とす。それは単にしっかり持たなかったからかもしれないけれど、20日の午後には明らかに、「しっかり握れない」になっていた。
 
 いつもお願いしている整体師さんにメールをしたら、連絡をくれた。
 自分で出来るあれこれを教えてもらい、腕の痛みはかなり引いた。
 自宅の中での作業も苦ではなくこなせるようになった。
 キーボード入力も今はつらくはない。
 
 ただ、軽いしびれは残っているし、首と背中ははっきりと痛みを持っている。
 気のせいかもしれないが、左よりも右手の方が冷たい気もしている。
 
 2〜3日で改善しなければ、どこかを傷めている可能性も。ということを言われた。
 
 この時期一日何回となく繰り返す採血は、力を入れなくてもできるのでなんとかなる。問題なのは手術とスケーリング。来月半ばまで予定がぎっしり詰まっている。
 
 仕事ができなくなると困っちゃうなぁ。。

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2006年04月21日

やがて訪れる

 死はだれにでも平等に訪れる。
 でも、自分の大事なひとや大事なわんこにゃんこたちに、目に見えて具体的に確実に近づいてきているのがわかったひとに、どんなことばをかけられるだろう。っていつも思う。考えて考えてことばを尽くすけれども、これでいいんだって思えたことが一度もない。どんな感謝のことばをもらっても、本当にこれでよかったのかと常に疑問が残る。

 正解なんてないのかもしれないけれど。

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2006年04月06日

職業病。多分。

 うみさんの腫瘤をみつけたとき、かなりへこたれた。混合ワクチンを接種したのは昨年の暮れ。見た目は多少違うが、場所も時期も、連想した腫瘍と合致する。
 
 これがワクチン誘発性肉腫だったら。
 最初にしなくてはならないのは、椎骨の一部の切除も含む、広範囲の切除。予後はかなり悪い。
 
 ものすごくへこたれていたら、じぅいではない友達に、なぜそんなに悪い方にばかり考えるのか、と訊かれた。
 
 訊かれて考えた。
 診察の時には、症状や診察から、病気や原因を推察する。一度で何もかもが確定することはほとんどない。鑑別すべき疾患のリストから、ひとつひとつ除外していく場合も少なくない。その「鑑別すべき疾患のリスト」に、予後が悪い病気が含まれるなら、それは肝に銘じておくべきだ。
 
 プロフィールや診察、検査の結果から、最悪の事態を患者に告げておくべきであると判断したら、そう告げる。それほどではないと判断しても、自宅での投薬に反応しなかったら連絡するように指示をする。 
 
 安請け合いをして、鑑別リストの中の、「最悪の病気」だったら。
 患者も飼い主も自分自身も、目も当てられない状態になる。
 症状から見る発生率だけでは、その判断は下せない。気持ちの問題でもない。
 
 そんなこんなで。
 その対象が「うちの子」であっても、最悪の事態は考えずにはいられない。
 うちの子であるからこそ、最悪の事態を考えただけでへこたれてよれよれになっていってしまうわけで。
 
 これはもぅ、職業病ってことにしておいてください。
 
 そして今回の場合、うみさんに起きたことの「最悪の事態」があまりにもいやーなモノだったから、思いついただけでほんとにへこたれてしまったのだった。

 
 多分その先。予後を延々と考えてしまって、さらにさらにへこたれていってしまったのは、これは職業病というよりも、性格って〜やつなんだろうな。特に昨日はわんこのこともあったから、へこたれ倍増というか、二乗って感じになっていた。

 助けてもらってばかりいる。
 本当に本当に役立たずになっている間。一緒にいることで、違うことを考える余裕もできてくるし、向き合って考える落ち着き(と、勇気)も取り戻せてくる。何より、自分の中にしまいこむのではなくて、昇華ができている気がしている。

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 昨年暮れ、かなり予後の悪い腫瘍の手術をして、傷の治りが悪かった子がいる。
 傷が完全に治るまで。ってことにすると、ひどく時間がかかるから、管理の指導をして、おうちにお帰ししたのだった。
 お腹の皮膚が、ぱかんと開いていても、笑顔で元気に歩いていた、我慢強い子なんである。

 腫瘍は再発していた。広範囲なのと病理検査結果がひどく悪かったのとおうちのひとの希望で、今度は手術にならなかった。そのうち、片方の後ろ足がひどくむくむようになってきた。循環がおかしいのは明白で。それでも根本的解決ができないため、腫瘍の進行を抑える目的半分で、鎮痛剤を使用していた。

 その子が、昨日から鳴き続けなのだと来院してきた。体の大きい子なのだが、もう立てない。お腹に穴が開いてても笑顔だったのに、今度は体位を動かすと歯を剥く。よほど痛いかつらいか両方としか思えない。顔つきもいつもとはまるで違う。

 おうちではみられないとのことで(家人にも重篤な病気のひとがいる)、お預かりをした。普段使っている鎮痛剤に加えて、同時に使える薬を、様子を見ながらめいっぱいまで投与したけれども、全然楽になる気配がない。
 朝お預かりをしてから、5時間くらい鳴き通しだったろうか。
 見に行けばなんとか我慢しようとする。よほど眠いのにつらくて眠れないらしく、顔をなでていれば寝そうな顔になる。それでも、思い出したように鳴く。手を放したらぱっと起きて鳴きはじめる。

 ようやく寝たね。と、スタッフと話して、30分もしないうちに、他界した。
 つらくて苦しい時間を経て、疲れ切って眠ったところで召されたのだ。と思う。

 

改善の見込みがないから、あの辛い状態がいつまでも続くようだったら、安楽死を勧めてください。と、院長に話したところだった(院長も同意見ではあった)。おうちのひとがどれだけ大事にしてるか、よくよくわかっている。持病を持つおうちのひとが、ひどくかわいがってるのもわかっている。

 それでも、あの苦しみようは。見ていられなかった。
 多少の痛みは。人間が考えられないくらいの痛みであっても我慢をして乗り越えて来た子が、あれだけ表情に出して苦しんだのだ。
 
 自然に召されたこと、辛いのが半日あまりだったことは、仕合わせであったのだ、と思いたい。
 おうちのひとは、安楽死は躊躇しただろうから。
 持病を持つおうちのひとは、痴呆もはじまっている。安楽死に一度納得と同意をすることができても、あとでまた他のご家族にいろいろと訊いただろうから。

 昨年末から、長々と入院してた子だ。どんなにいい子か、我慢強い子か、あまったれな子か、わかっている。どれだけ大事にされてる子かわかっている。病院で亡くなってしまったのは、ほんとに辛かったと思う。

 意識がしゃんとしている間の顔は、辛くて苦しくて、いつもとまるで違っていた。
 亡くなってからの顔が、とてもとても穏やかに見えた。
 
 ほんとに。楽になったのだと思う。
 泣けてくるよ。

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2006年03月28日

お引っ越し直前

 引っ越すのは私ではなくー。
 先日取り上げた、もーすぐヨーロッパ方面へお引っ越しのわんこ。
 こないだ、もうしばらくは会えないなぁと思いながら見送ったのだが、今日またやってきた。今度はお腹を壊したとのこと。
 
 もんのすごく遠方へのお引っ越し準備で、おうちのひと(特におかーさん)はてんやわんやだと思う。環境の変化に弱いしばっちのわんこが、異変を感じてストレス性疾患になってしまうのも無理はないと思う。診察しても特に異常がないので、様子見なのであるが。
 
 シニアわんこなもんで、心配ではある。他に大きな病気が隠れてないといいなぁ。元気で帰って来いよー。
 
 それにしても、てんやわんやのなか、わんこの健康をきっちり気づかって病院に連れてくるおかーさんは、ホントに偉いと思うのだった。
 

 実はこのわんこ、若いころには行動に問題が多い子で、おかーさんが物干しに庭に出たところを襲って噛みついたりした子だったのだ。その後いろいろ行動療法を考えたりするなかで、去勢手術をしたら、さっくり扱いのほんとに楽な子になった。ときどきお預かりもしたのだが、この子だったらお利口さんだから、いつでもどこでも大丈夫。ってくらい。正直言ってしばっちでこういう子は珍しい。(柴は「作られた」目的からして、扱いが難しいと、最近の獣医の行動学では言われている。←ものすごく端折った説明)
 
 その子も今は11歳。無事に帰ってきたら14歳。
 同じ年でニューヨークに渡り、14歳で元気に帰ってきたしばっちもいた。
 ぜひぜひ同じ記録を打ち立ててほしいところ。
 
 ご家族に先駆けて、わんこは成田へ発つのだそうだ。
 元気に新しい土地に馴染みますように。元気に日本に帰ってきますように。
 
 たっしゃでなーっ。
(とこちらは思っていたのだけど、わんこは元気に病院を走り去っていったw)

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2006年03月24日

しごと徒然

 今月末にヨーロッパにお引っ越しのわんこ。
 先週、個体識別用のマイクロチップも挿入し、もう会えないかなーと思ったら、「はげちゃった!」ということでやってきた。幸いおおごとではないようで。
 今度こそもう会えないなぁ…って、スタッフみんなで見送った。
 
 3年後に帰国の予定だそうで。元気に帰ってきてくれるといいなぁ。。


 木曜日いちにちお休みだったのだが、その間に、水曜には思いもしなかったわんこたちが亡くなっていた。
 いつ会ったのが最後だったかなと思う。
 お年寄りではあったけど、あのときは2頭ともそれぞれ元気だった。
 
 
 突然お引っ越しすることになったという老夫婦。なにやら事情があるそうで。
「近所のだれにもまだ話してないのよ」という話を、私に打ち明けてくれた。ご本人にも急展開のできごとなのだと思う。話を聞いているうちに外来がこんできて、次回にまた、ということで帰っていかれた。
 家庭の事情をこぼしていく方は多い。
 何の役に立つわけではないけど、吐きだして楽になって帰っていけるのであればいいんだろうと思うし、その対象に自分が選ばれるのはきっとありがたいことなんだと思う。
 
 
 ほぼ虚脱状態で入院の老猫。
 点滴して元気になってきたら、帰るころにはシャーシャー怒っていた。そーいえばアナタ怒りんぼさんだったぁねぇ。
 明日も半日入院で点滴続行の予定。体力が回復すると同時に治療がしにくくなるけど、これはまぁ仕方あるまい(笑)
 
 
 明日、お預かりでやってくるわんこが妙に多い。
 それでようやく、世間が春休みってーことに気が付いた。
 春には春休みというものがあったなそういえば〜。

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2006年03月22日

サバオさん(仮名)その後

 手術を終えたねこさん。どんどん回復してきて。
 ご飯も食べる。ご機嫌もよい。
 これはとてもとても嬉しいこと。

 でもそうなってくると、今度は「この子のおうちはどこですか」が問題になってくる。いつまでもいつまでもは置いてあげられないし、何よりお年寄りさんらしいから、新たに里親さんを探すのは非常に困難。。。

 元気になってきてくれたら、今度はそんなことで頭を悩まさなければなりません…。

 が。月曜。朝いちばんに電話がかかってきた。
「うちのねこが行方不明で…」
 近くのコンビニに、ポスターを貼ってもらっていたので、それも見て、似てる ってことでお電話をいただいた模様。早速来てもらったら、
「うちの子ですーっ」

 ポスターは、保護直後の、具合が悪くて目がとろろん〜としているときの写真だったから、ちょっとわかりにくかったかしら。

 なにはともあれ、よかったよかった。そんなこんなで、無事帰っていきましたよー。

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2006年03月18日

今日の予定外手術

 職場そばのコンビニで、よれよれになってたところを保護されてきたねこさん。再検査をしたら、どう考えても手術をせねばなりませんょ。ということで、急遽手術をしたのだ。
 恐らく、車にぶつかってしまったのだろうと思われる(横隔膜ヘルニア)。

 お腹を開けて〜 の、ちょと大変な手術のあと。
 まだ痛いだろうに、体を伸ばして、ごろりん。と眠っている。なつっこい子で、触っていると、ごーろご〜ろ言いながらすりすりしてくる。
 今まで、ごろごろは言ってたものの、じっと座っていたのは、苦しかったんだねぇ。つらかったんだねぇ。
 ひとと違って、苦しさやつらさを直接訴えられないから、黙って我慢して座っていたのだ。
 それを思うと不憫だったりする。

 ここは病院ですがわかってますか? と問いたくなるほど、ごろりんと眠っているねこさんは。外見からはそうは見えないけれどどうやらかなりのお年寄りらしい。この人なれ具合は飼い猫としか思えないのだけれど、いまだ飼い主が見つからない。早くおうちに帰れるといいねぇ。。。

 保護されてきて初めて、ほんの少しだけだけど、猫缶を食べていた。
 このまま順調に回復して、家に帰れるのが理想なんだけれども。

 うみが保護されてきたときのことを思い出す。
 もっとずっとひどい有り様で運ばれてきて、術後、やっぱりなつっこいから、飼い主を探し回ったけれど見つからなかった。そんなこんなで、ずっと世話をしていた自分が懐かれてしまって、迎え入れたわけだけれども。

 サバオさん(仮名)は。
 この先どうなるやら。

 理想的展開になることを願いつつ…


 職場関係のグループ内セミナーがあったりなんだりで、ちょとへろんへろんかもだ…

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2006年03月09日

3月になって

 今月に入って、患者わんこにゃんこの訃報が相次いでいる。
 おとしよりだったり、予後不良の病気の末期だったりで、彼らは彼らなりに寿命を全うしたのだと納得できるのだけど、それでもやっぱりカナシイことに変わりはない。

 今日の午後、一本の電話。
 1年半ほど寝たきりで生活してたわんこさんが、亡くなったとのこと。
 カルテを確認すると、明日が19歳の誕生日だった。

 わんこが寝たきりになってしまってからは、おうちのひとは毎日介護をされていた。体は小さくはなかったから、あちこちに褥瘡(床ずれ)ができた。夜鳴きにも悩まされた。一時期はご家族の方がノイローゼ気味になったこともあった。

 わんこも長々と頑張った。おうちのひとも本当に頑張った。
 本当におつかれさまでした。

 そのわんこに二度と会えないのは、でもやっぱりちょっと寂しい。

 ここのところ、亡くなる子が多いですよね。って、看護士スタッフも寂しそうだった。
 やっぱりね。大往生でも、納得してても、そう思っちゃうもんで。

 余談だけれども。わんこの痴呆からくる夜鳴きや介護疲れで、ノイローゼ気味になってしまう方は決して少なくない。しんどいことはあまり抱え込まないで、お預かり(ペットホテル)をしている病院で、ショートステイ代わりに預かってもらうのも決して悪くはないと思う。
 夜鳴きは、近所迷惑が気になったり、ご家族が寝られなかったりで、決して甘く見られるものではない。場合によっては内服薬でコントロールできることもあるので、こちらももし悩んでいる方がいたら、ぜひかかりつけに相談してくださいまし。

 最後の最後で、つらい思いばっかり抱え込むのは、とてもとても悲しいことだと思うので。

 わんこが痴呆になっても、寝たきりになっても、ご家族の方には落ち着いて見送ってほしいし、あとには楽しい思い出を残してほしいと思ってますょ。そういうことのお手伝いをするのも、動物病院の役割の一つだと、じぅいである私は思うのです。

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2006年02月24日

歯の写真。

 以前話題にした、おとしよりわんこの歯の写真(抜粋)です。

事前
060224_1.JPG
 歯石が3本の歯をひとつに見せていたり。

目立つ歯石を除去後。
060224_2.JPG
 歯肉が退縮して歯根が丸見えになっています。
 この歯はもぅぐらんぐらんしていたので、抜歯になりました。
 歯石を取る前(上写真)の、頑丈で分厚い歯石で歯を支えていたといっても過言ではないほど。とは言っても、食べるたびにぐらぐら揺れていたと思うのだけれど…。痛くないのかなぁ。。

 こんな感じで、歯の表面の歯石を除去→歯と歯茎の間の汚れを除去→ぐらんぐらんだったり炎症を起こしていたりなどの歯を抜歯→抜歯してない歯の、歯茎側の組織を薄く削って、歯と再びくっつくように処置 / 抗生剤の軟膏充填→歯の研磨(二重研磨でぴかぴかにします)→仕上げ。
 て作業をするのでした。

 この子くらい歯根が剥き出しになっていると、歯茎からは完全に浮いている部分が多かったり、歯槽骨で支えられている部分もとても少なかったりするので、簡単に抜けてしまいます。抜けたあともあまり出血しないで、他の歯を処置している間に、傷が埋まっていったりするのでした。

 歯石がたくさんあると、かなり匂いも出るし、炎症を起こしていたら化膿臭まで出ていたりするのです。
 すっきりさっぱりできるのは、いぬねこも飼い主さんも同じことかと思います。

 ぜひおうちの子の口の中を覗く習慣をつけてくださいまし(口は開けなくていいから、横から、くちびるめくってみてくださいねー)

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2006年02月15日

おとしよりでもスケーリング

 最近スケーリングを依頼されることが多い。歯石を取って、歯と歯茎の間の汚れも取って、必要であれば歯肉炎処置や抜歯もする。

 今日はもともと、18歳のねこさんのスケーリングの予定が入っていた。口臭がとてつもなくひどいので、ぜひともやってくれと頼まれて、麻酔のリスクなどを一通りお話ししたら。予定の数日前になって、やっぱりお年だし、心配になって……。ということでキャンセルになった。

 そのキャンセルが入った当日。見ていたかのように、できれば14日にスケーリングをお願いしたいんですーと電話があった。そんなこんなで、17歳のわんこのスケーリングの予定がいれかわりで入ったのだった。

 このわんこも腎不全があったりで、なかなかリスキーではあったのだけれども、口の中のニオいも歯石も歯肉炎も、さすが17年溜め込んだ。ってだけあってエラいことになっていて。歯が完全に隠れるくらいの歯石。画像をお見せしたいくらいの口の中(歯根が1〜1.5cmくらいあると仮定して、本来だと全部が歯槽骨にハマって歯を支えているのだけれど、歯肉炎で歯肉も歯槽骨も退縮して、何本かは、ほんの2mmくらいが歯槽骨に固定されている状態。ぐらぐらのぷらぷらでようやくくっついていた。 写真はあるのでそのうちアップするかな…)。

 結局、超特急での口の中の掃除と、歯石で支えられていたようなぐらぐらの歯が7本もあって、これを抜歯。
 わんこ本人は、麻酔から醒めたら、点滴をしていられないくらい元気いっぱいに騒ぎ回る。予想外なほど。ごはんもぺろりと平らげて、元気に帰っていった。よかたよかた。
 …それにしても17歳。このおトシで、痴呆もなく、元気に歩いて帰れるしばわんこは珍しい。
 口もさっぱりとキレイになったことだし、まだまだ元気でいて欲しいところ。

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2006年02月10日

おもいでの写真。

リリー.jpg

 事情により、おうちに帰ることができなかったわんこ。
 寝たきりになる前の写真を、スタッフが持っていた。
 2月1日、長い闘病生活から開放された。
 享年不明。 

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老猫。がんばってますよー。

 22歳ねこ。乳腺腺癌。局所再発したもんで、2度目の切除。
(一度目の手術で既にハタチだったので、乳腺全摘手術ではなく、局所切除になっていた)

 …の、抜糸。
(ちなみに肺転移はいまのところ見つかってない)

 よその病院では、この年では手術は断られるって言われたのー。とのことだった。
 ゃ、しないで済むに越したことはないですょもちろん。でもこのねこさんの腫瘍は、自壊してたもんで。破れて化膿、出血。本人も痛いし周りもくさい。そして何より、おうちのひとが、手術をして亡くなってしまうなら、それがこの子の寿命だからと決断されたからこそ。

 当のねこさんは。手術の前と体重も元気も変わらず。
 耳が遠くなってからという、大きなだみ声を張り上げていた。

 ちっちゃいみけねこさんなんだけど。
 いくつまで頑張るかなぁ。しっぽが9本になるくらい頑張って欲しいなぁ。。

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思う。

 多頭飼いのおうちのみけねこさんが、この4日あまりご飯を食べずにぐったりしているというので来院した。元気なときは家人にも抱かせなかったとのことで、6年ほど前に一度診たことがあるきりの子。シニアのお年ごろ。
 
 診て触れば重症なのはわかる。おうちの方が忙しいひとなのと、全面的に信頼いただいてることもあって、検査の結果は待たずに、お預かりして治療していくことになった。
 
 診て触ってわかったことと共に、危ないです。と正直に伝えた。数日で急激に悪くなったのならなおのこと。それでも、うちに置いているよりは安心だから、と、託された。
 
 ねこさんは。数時間で息を引き取った。
 ほぼ。できることは何もなかった。と言っていい。
 
 せめて自宅であればと思いもするものの、病院に来ないまま亡くなっていたら、今度はおうちのひとがやり切れない気持ちになっただろう。お迎えにきたおうちのひとに、この子に何が起きていたのか、わかったことととわからなかったことと憶測を告げる。
 
 病状がもうお手上げ状態であっても。
 長く生きるのが無理であっても、「助ける」ことができなくても、なんとかかんとか、もう一度ご飯を食べるようにもっていって、帰してあげたかったなぁと思う。
 
 いのちのことだから、どうにもならないことだらけなのではあるけれど。
 おごりかもしれないけれど。
 
 それでも、毎回思う。

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2006年01月24日

病院でお手伝いできることって

 腫瘍が全身に転移している(早く言えば、体中ががんに侵されている)わんこがいる。糖尿病を併発していて、心臓も悪い。病気上、感染にも弱い。
 
 そんなわんこさんなのだが、糖尿病を放置しておくわけにもいかないので、おうちのひとと相談して、今日は血糖値のチェックをしつつ、インスリンでコントロール。
 
 お預かりして、血管確保をして、点滴をしつつ病院のケージで温かくして寝てもらって。合間に採血採血。てな具合だったのだが。
 
 これがまた。
 ぐったりと寝ているんである。パグさんなのだが、こういう顔が短い子(短頭種と言ったりする)の子の場合、いびきが聞こえてきてるからといって、熟睡してるとは限らない。昼には突然チアノーゼを起こしたりして、たった半日のお預かりでも、無事帰れるんだろうかとドキドキ(や、処置したらその後安定したですょ。ドキドキして見守ってただけじゃないょっ)。
 血糖値をコントロールしたところで、余命が延びるんだろうかと思ってしまう。
 
 それがですね。
 おうちのひとがお迎えに来たら。もぅ目がぱちーっ て開いて。きらきらしてる。顔中で「うれしいーっ」。
 さっきまで、「いきてますか?」って聞きたくなるくらいのぐてーっとした寝姿とは雲泥の差。
 
 なんかねぇ。
 こうなってくると、からだのケアだけでなくて心のケアってとっても重要だって、つくづく思うのです。
 
 死はだれにでも訪れるものだけど、それまでは楽しくしゃーわせに暮らして欲しい。
 どんなにしんどくても、おうちがいちばん。おうちのひとのそばがいちばん。って思う子も多いんだろう。
 おうちのひとの代わりにはなれないし、病院でお手伝いできることって、ほんとはちっぽけなのかもしれないねぇ。

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2005年12月17日

おつかれさま。でした。

 すっかり書き散らし状態ですが。

 ついこないだまで頑張っていた、今年ハタチ、来年ハタチのねこさんたちが相次いで亡くなりました。双方は全然関係のない子たちなんですが、同じ部屋でしばらく一緒に入院していた年の近い子たちので、なんとなくセットで考えちゃってました。
 茶トラ白のおとこのこと、キジの小さいおんなのこ。
 
 かたや、7年前から腎不全がわかって、ずーっと処方食を続けていた子。処方食を続けていたから、こんなに長生きできたのだと、私は思う。
 
 かたや、ずーっと毎年予防接種だけだった子。ご飯を食べなくなったと来院したときにはもうすっかりやせ細っていて、どうなることやら。検査したらかなり重度の腎不全でした。ねこに腎不全は珍しくないし、今までの状態をお伺いしてきたところによると、この1年あまりで急速に悪化した感じ。
 
 ほぼ同時期に入院し、退院していった子たち。オスの子は再び入院したりもしつつ、でも入院するとすぐ食欲が回復するという頑張りぶり。メスの子は、もとから小柄だったのがもっと小さくなりながら、いったん退院したあとは、自宅で給餌、通って補液、といった案配で。
 
 どちらの子もほんとに頑張った。おうちのひとも頑張ってた。
 
 ねこさんにもおうちのひとにも、おつかれさまなのです。
 やぱし悲しいけどねぇ。
 
 
 …そしてやっぱり腫瘍祭開催ちぅ。。(今日も2件…。しかも片方は既に挙動の悪いものだと判明。。
 んでもってくそ忙しいですょ。冬は比較的ヒマなのが通常ですよ。たまってる資料も本も全然読めないぃぃ〜♪

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2005年12月16日

いでで。

 昨日整体に行ったばかりなのではありますが。
 今日もごっつい手術でした。しかも再手術。
 先週やって、病理検査の結果がものすごくいやんだったという(要するに、悪性の中でもかなり悪い癌)もの。おうちのひとがのんきにしているうちに、周りの組織が変性して傷が開いてしまった。(しかしなぜそれで平気でてくてく歩いてるんだわんこーっ)
 
 変性している組織は縫合してもくっつかない。前回で、腫瘍がかなり大きく周囲に広がっていたので、それでもかなり大きく切った。そのまわりが更に変性、壊死を起こしているので、今回はそれも切り取らねばならない。
 
 えらいことですょ。
 
 同じような手術(乳腺の腫瘍)は年に何度も何度もするのだけれど、これほど悪い挙動なのは8年ぶりくらい(あれは本来『手術できない』腫瘍と言われるものだった)。そして今回、手術がうまくいっても、今後元気に過ごせる保証はできない。

 それでも、傷が開いている以上、やらないわけにはいかないですよ。
 わんこも大変だけど、こちらも大変なのです。
 んーでもね、寄せることはできましたよ。寄るのかどうか、自分は確信がなかった。さすがいんちょーっ。と言っておこう。…ただし、寄っても、傷がつくかどうかわからない。悪性度の高い腫瘍は、腫瘍細胞の浸潤が激しいから、大きく大きく切っても、そこまで腫瘍細胞が達していることもある(くっついてもそこから再発することもある)。
 
 2時間を越える手術は年間あまりないはずなのだけれど(長い時間の麻酔は負担がかかるため、骨折だろうが脾摘だろうが、なるべく早い時間で済ませるよう頑張っちゃう)、この一ヶ月余りで少なくない数をやっている。歯科処置まで含めたら、この時期には珍しいですよ。てなほど。…で、足裏が痛くなるわけだが…
 
 今週はじめには、手術の予定をしながらも、精査の結果、「手術してもどうにもならない」ということで手術を中止した子もいる(この子は現在、化学療法をはじめている)。
 
 ほんとに、腫瘍祭。て感じ。しかもみんな挙動が悪い。てゆか、予後が悪そう。
 
 温泉に行って気分転換しても、みんなが治ってるわけじゃ〜ないんだよねぇ。
 ちょと沈み気味だ〜ねぇ。
 そしてまた足裏痛いですょ。とほ。
 や、行ってなかったらもっと痛かったんだろうと思えば。行ってよかたなのです。

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2005年12月13日

なんだか。

 先週から突然、腫瘍祭開催中。
 全然嬉しくない。

 

 今日も、「もう取りようがありません」てほど巨大化した肝臓腫瘍の子がきましたょ。こないだの子と違うのは、ながなが診てる子だってーことですょ。二度の手術を経て、今年の夏までは元気だった。半年ぶりくらいにみたら、前回見たのとはまるで違う姿でしたよ。体はやせこけて、お腹だけ膨らんで。腹水じゃなくて、大きくなった肝臓だった。腫瘍のない葉があれば望みはあったけれども。…いやでも、全身状態が悪いものなぁ。。
 わんこ本人は、体力がた落ちでふらふらしているものの、おとーさんを見ている目は今まで通りで、ちょっと笑顔だったりもして。
 いい子なんだよねぇ。

 先週切除した腫瘍の病理検査結果が相次いで帰ってきている。どれもこれも悪性腫瘍ばかりですよ。あぁもうまったく。ひさしくみなかったようなサイアクの腫瘍の名前が出てきたりして、ちょとくらくらしております。

 一方で、少し前にわんこを亡くしたおうちで、新しい子を迎えましたよーという新患も。
 新患といえば、やんちゃなジャックラッセルの子が、しつけが出来ない〜という相談まじりでやってきた。…ので、途中から院長の話を奪ってしまいましたとさ。ほほほ。小学生高学年くらいの賢そうなおにーちゃんがいるし、わんこ本人もしつけは早く入っていく子だから、このやんちゃ坊主もなんとかなるのではないかと思いたい。それにしても、いまだに『しかりつける』しつけを指導する訓練士がいるのか という驚き。わんこの性格を見ながらやり方は変えないとー。(子犬のしつけの話はしはじめたら終わらないので割愛〜)

 まぁ、そんなこんなで、忙しかったですよ。師も走るって〜ねぇ。おかしぃなぁ。うちは盆も正月もお預かり以外は関係ないんだけどー。

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2005年12月09日

堰が切れたよーな(?

仕事の話まみれですよ

 ひさびさに、向こうの診察室でいんちょがだれを診てるか、何を診てるかもさっぱりわかんないよーな忙しさでしたょ。厄介な症例だと呼ばれて一緒に診たりもするんだけど、そんな余裕すらございませんでしたわはは。

 こないだ相次いで退院した、20歳ともーすぐ20歳のご高齢ねこさんコンビ。それぞれ再入院もしくは状態がた落ちという…
 もーすぐハタチの子は、今までもさんざん飼い主さんと話してきたけど、「うちの子」って、いくつになっても、どんなにご長寿でも、もっと長生きしてほしーわな。しっぽが9本になろうがそんなこたーどうでもいいって思う。

 今日退院予定だったわんこ。術創がよろしくなくて入院が延びた。自壊してた腫瘍が爆裂したような状態になって、細胞診も何もせず、急いで切除した。これを病理検査に送った結果が今日になって返ってきた。悪いんだろうなぁと思ってたら、ほんとに悪かった。んーでも、マージン2cmなんて無茶な場所での腫瘍切除だったもんだから、これが最初からわかってたからって何がかわったわけでもないと思うけれども。
 治療中、痛いいたい言いつつも怒りもせず我慢してるこいつが大好きですよ。お散歩はしっぽぷりぷりだしな。あぁでも腫瘍随伴症候群とか起こしちゃったら傷がつかないんだろうなぁ。。。
 
 その他いろいろあってあっという間の一日だったわけですが。
 
 これだけ忙しくても、明日お休み取ってるもんで、お休みさせていただくのでした。や、当初の予定だとヒマな週末だったのよー。よーっ。
 
 職場の皆さんごめんなさい。おみやげ買ってきます…
 てゆか、いい加減、出かける準備しなくちゃな。

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 新患のゴールデンレトリバーがきていた。14歳というご高齢。
 ご飯を食べない。体にはたくさんのしこり。お腹の中には何かが触る。検査をして、肝臓がものすごく悪いことがわかった。レトリバーに多い脾臓の腫瘍ではない。動けないのでそのまま入院して、内科療法をはじめたが、さっぱり反応しない。適正体重がおそらく30kg前後なのだが、10kgくらいオーバーしていて、画像診断にもてこずった。
 
 3日間。日に日に悪くなった。

 
 家主定休日の今日。
 午前中ぼけぼけしていたら、いんちょから電話がかかってきた。
 
 おうちの方と相談して、安楽死ということになった。おうちのひとが面会して帰っていったあと、それまでおとなしく寝ているだけだったわんこが、悲しがってかなり鳴いたらしい。いんちょがそれを見ていて、望みは薄いけど、いちかばちか開腹してみて、取れるものだったら取ってみようと思ったそうな。望みは薄くても、できることなら生きておうちに帰してあげたくなったんだと思う。
 だから、改めておうちの方に電話して、だめかもしれないけど、開けてみましょうって、飼い主を説得した。
 
 てなことでお呼び出しがかかったわけで。
 もし取れるものだったら、ものすごく大変な手術になるよ。って。
 まぁそうでしょねー。て言いつつも。取れるなら取ってあげたいじゃないすか。
 
 状態が悪いから、麻酔をかけただけでいっちゃうかもしれない。肝臓はかなり腫大している。どこまで正常かはまだわからない。でも腫瘍ならどれかの葉に限局している可能性もかなり高い。
 
 麻酔の導入は乗り切った。でも、開けてみたら。
 
 これはね。どうにもなりません。
 大きくなってしまった肝臓全体が変性を起こしている。エコーで見てなんだこれはと思っていたのは、今まで見たこともないくらいに大きくなってねじ曲がった胆嚢だった。回りにも若干波及している。
 
 そのまま、深い眠りに。いんちょが傷を縫合している間に、わんこは帰らない眠りにつきました。
 
 3日間のつきあいだったけど、すごくいい子でね。
 ごはん、たべてほしかったなぁ。
 
 おうちのひとの依頼で、おうちに帰ることなく、そのまま葬儀屋さんにお迎えに来てもらうことになった。お腹を壊していたから、汚れたところをきれいにして。看護士スタッフが、ちょっと伸びていた爪を丁寧に切っていた。
 病院に咲いている花、ちょっとしかなかったけど、スタッフが切ってきてくれたから、わんこに持ってもらった。
 
 正直、呼ばれたときは、ダメかな。って思っていた。いくらなんでも楽観できる状況でないのはわかる。そんなこたわかってたんだよ。いんちょだって。それでも、万が一でも望みがあるなら、帰してあげたかったんだ。初めて来る病院に置いてかれて、そのまま死んじゃうなんてかわいそすぎるじゃないか。
 
 安楽死に立ち合わないという飼い主はけっこう多い。立ち合えないと言うひともいる。それ自体はもう否定しない。死に向かい合えないひとがいるというのは理解した。
 
 でもさ、わんこがさ。
 迷わずうちに帰れたかなぁ。
 
 こういうこと、だいたい自分の中に溜め込んでおいて、ちょこっとずつ昇華なり消化なりしていく。書いてしまった方が楽になるんだけど、自分の外に出すのがどうにもうまくできない。書いても自分の中にあることの皮の部分だけ、ひとごとみたいになることも多くって。
 
 それでも今回書こうと思って、それでもって実際にこやって書いていられるのは。
 
 こういうことがあったって知っててメールくれるのって、けっこしんどいんじゃないかと思うんだわ。すごく嬉しかったのよ。なんでもないことみたいなフリなんてしなくていいんだなって。うれしい。
 
 自分でもずーっと我慢してたの、わかってなかったようで。
 いっぱい泣く。泣くけど。
 明日は元気に仕事するよ。

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2005年11月10日

おとしよりわんこ。

 事情により飼い主が世話できなくなり、代理のひとがみていたお年寄りわんこ。胸にあった腫瘤から膿が出たとのことで来院した。
 
 ほんとによれよれしている、小柄なおとしより柴っち。
 もうこれが、もんのすごい乳腺腫瘍で。
 わんこにゃんこの胸には、だいたい5対の乳頭があり、その左右それぞれを縦につなぐように乳腺がある。
 この左側。真ん中にできている、直径約10cmくらいの腫瘍。これだけでもびっくりなのに、そのてっぺんに大穴が空いている。また、その腫瘤から脇(腋窩)に向かって大小さまざまな腫瘍がぼこぼこと連なって、脇の下にまた深くて大きなかたまりがある。
 右側は、大きな腫瘤はないものの、皮膚に2cmくらいの穴が空いている。そこを覗いて卒倒しそうに。なんとこの時期に、はえのこどもさんがいっぱい詰まっていましたよ。もぅ泣けそう。
 
 むしを取り除き、消毒をして、抗生剤やらと一緒に痛み止めの処置も。

 一方で、この乳腺腫瘍。自壊(組織が壊死して割れている)して排膿してる。こういうのは、組織が死んでいて起こるから、傷の手当てをしても治らない。腫瘍の切除が治療の第一選択となる。
 とはいえ。このおトシ。今までの管理も決していいとは言えない。全身状態をチェックする必要もあるし、腫瘍の進行の度合いを考えると、既に肺転移を起こしている可能性もある。腫瘍を切除しても、完全切除は難しいと思われる(悪性の疑いが強いのと、長らく放置されたために、周囲に癌細胞が浸潤していると考えられるってーことです)。
 手術となると、費用もかなりかかる。飼い主さんは、おそらく支払い能力が無い。
 
 むぅ。
 いんちょは、安楽死も含めて話をしなくちゃいけないかなぁ。なんて呟いていたわけです。
 痛くても怒ったりしない、とてもとてもいい子だとわかってきてるから、それはわしらスタッフとしてもひじょーにつらい。
 
 てなことで、代理の方と延々相談。その代理のひとというのが付き合いの深い患者さんで信頼できるひとだったのが何よりの救い。
 
 で。
 手術をすることになりました。支払いはもぅ、あれもこれも削ったりして、後回しでもいいよ状態なんだと思われる。
 完治はしないかもしれない。今のとこ肺転移らしいのはみられないけど、今後の再発や転移の可能性は高い。でも少なくとも、しばらくの間は、今よりずっと楽に暮らせるだろうと。
 
 あぁほんとによかったね。
 
 体力も低下しているので、大急ぎの手術。根治が目的ではなく、今のつらさを取り去るのが目的。でももちろん、点滴をいれて、お年寄り用の麻酔(注射薬)を使って導入。ガス麻酔に移行して、モニタリングもいつも通り。
 
 で、実際はじめてみてまたびっくり。予想はしていたものの、腹膜にも浸潤しているし、腋窩リンパまわりもものすごいことに。腋の下もかなり切らねばならず、神経も全部の温存は不可能。
 
 …この子、歩けるようになるんだろか…
 手術が無事終わる目処が立ち、いんちょがものすごい勢いで縫合している間(ほんとに早いよぅ)、ふと不安になる。 

 手術を終えたら、麻酔からあっさり醒めてくれた。ぉぉ。
 2時間後くらいには、ご飯もぺろんと平らげた。ぉぉぉ。
 
 これはすごいですよ。
 
 しかも翌日の朝、多少フラフラしていたけれど、それでも自分の足で歩いて少しだけお散歩できた。夕方にはもう、足取りはしっかりしてきて、かえって元からだと思われる後ろ足の方がよろよろしちゃってるくらいで。
 ご飯はあっという間に食べ切ってしまう。そのまた翌日には、「ケージから出して!」と要求するようになってきた。
 
 効果の高い鎮痛剤も使っているとは言え、腋の下から下腹に至るようなでっかい傷ですよ。もう、すごいですよこれは。手術した甲斐があったし、わんこも頑張った甲斐があった。
 
 最初にいんちょが安楽死かなと言った時点で、もんのすごくブルーになっちゃったりしていたんだけど、この子の回復とともに自分も元気になってきた。
 
 関係ないけど、今まで10年間、お預かりのときは一切食べない・排泄も3日は我慢するというチワワがまたお泊まりに来ていて、今回初めてご飯を食べてくれた というのもまた嬉しい話題。(その子がご飯を食べるところを、スタッフみんなして、初めてみたわけですよ…)
 
 こゆことがあると一気に元気になる。お気楽なワタクシ…

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2005年11月09日

ひさしぶり

 職場で。
「久しぶりなんですけど」というお電話。ねこさんからだった。
 お歳を召して心配なのでということだった。
 昔のカルテを探すと、前回の診察が12年前。
 そんなに昔のカルテをしっかり残しているのもびっくりだけれど、12年ぶりの診察のねこさんにもびっくり。

 カルテをよくよく見ると、12年前の段階で、誕生年不明。成猫。となっている。となると、この子は13歳以上。。。

 もともとのらねこで、家人に猫嫌いのひとがいるのだけど、お年になったから、こっそりおうちの中で面倒を見るようになったのだとか。いくつかの問題は見つかったけれど、即座に入院せねばならないとか、そんなことでもなく。ゆるゆるとおうちで経過をみてもらうことに。

 足取りはおぼつかなくなってきているけど、この子なりにお気楽な余生であればいいなぁと思う。
 これからは、親密なつきあいになってしまうかもしれないけれど。

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2005年10月21日

うみさんの健康診断

 捕獲は非常に簡単でした。
 朝の絶食もわりかし簡単でした。
 
 …でも、病院に行ってみたら、採血させません。とっておきのかつお節でさえ効きません。大暴れになるわけではないのですが、うーうー文句を言いながら、ぴこぴこ動き回り、たまにかぶりついてきます。
 
 最終的に、かなり強行手段での採血になりました…
 
 そのあと、レントゲンを撮るのも一苦労でした……
 しゃーって言ったしな。
 
 検査が終わって、お昼休みにうみさんを連れて帰ったのですが、腰が抜けたようになってしまって(採血を二度せねばならなくもなったせいもあるかと)、しばらく普通に歩けてませんでした。
 
 …が、夜になって仕事から帰ってきたら、いつものうみさんでした。
 心から安堵するとはこのことですよ。よかたよかた。

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2005年10月01日

ほっぺたの内側に

 お年寄りわんこさん(でも本人は元気いっぱい)。
 の、ほっぺたの内側に腫瘤。てゆか、腫瘍。

 ……なんでこんなところに……

 崩れて出血しているので、切除出来る範囲でしましたが、場所が場所だけに取り切れてないかも。術前の検査では暴れ回ってよくみせてくれなかったので(口の中は何が何でも見せない主義らしぃですょ)、麻酔をかけてびっくり。おうちのひとと相談して、ほっぺの外側は残して、内側だけ取る手術(再発する可能性あり)になりました。

 しかも、見た目でかなりいやんな感じの腫瘍です。
 取ったあとも痛そうだ…

 でもご飯は一気食い。痛い手術を乗り越えても、食欲は落ちないらしいですよ。お年がおトシだけに、それだけ元気があったら安心なのです。(や、もちろんペインコントロールはしますけれどもー。

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2005年07月11日

あれこれ。

 土日に聞いてきたことの報告と、新しい情報を踏まえてのディスカッション。を、職場で。
 

 先月、大きな腫瘍の切除手術に臨んだものの、亡くなってしまった子がいる。
 この腫瘍の場所が、今回大きな題目として取り上げられていた(腫瘍の種類としては同じものは取り上げられていなかったけれど、術式は同じものになる)。
 この子を救うことはできたのか。最前の方法は、飼い主が望んだとしても「いじらない」だったのか。専門医ならばどうにかできたのか。臨床医ではどうにもならないものだったのか。それとも、他に何か方法があったのか。
 
 簡単に結論が出るようなことではない。そんなことはわかっている。ひとつひとつの生や死をそのままやり過ごしていたら、いつまで経っても先にいかない。そこで終わってしまう。
 
 そんなわけで、あれやこれやと。考えたり、調べたり。じたばたしてみたり。

 余談ではあるけれど。 
 厄介な腫瘍の場合は、大学病院を紹介するという方法もある。そういった話を飼い主さんにすることも多い。ただ、個人病院と圧倒的に違うのは、緊急手術ができない。ということ。緊急でなくても、急いで割り込ませるということができない。考えてみれば当たり前なのだけれども。
 そういった選択枝を提示しても、ぜひかかりつけであるここでとお願いされることもある。これはかかりつけ冥利に尽きる(もちろん、専門医でなくてはできないような手術や、特殊な設備がないとできない手術をを引き受けたりなんてことはない)。
 
 もっともっと勉強しなくっちゃねぇと思う。大学病院レベル、大病院レベルの診療はいろんな意味で無理だけれども、個人の能力を伸ばすことで、対応できる疾患はもっと増えるはずだし、同じ疾患でも診療がもっと多彩になるのではないかとも思う。
 
 努力家とは言い難い性格ではあるけれど、こういう機会を足がかりに登っていけたらなぁと思うのです。
 
 ……更新してないで勉強しろ。って気が、してきたぞ。いま。

 二日間+往復分座りっぱなしだったせいか、背中とおしりの筋肉がヤバいことになっている。
 ストレッチも頑張ってみる……。

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2005年07月05日

こねこ。

 ペット不可のマンションのエントランスで、ダンボールにいれられていたとのことで。マンションを管理する不動産屋さんが子猫を連れてきた。(不動産屋さんは、自宅にのらねこハウスを作るほどの猫好きさん)
 だいたい一ヶ月をちょっと過ぎたくらいのおとしごろと推察される。
 
 それが。
 痙攣のような発作が出る。短時間に繰り返すので、薬剤を使う。それでもおさまらない。
 朝には聴覚があったのに、午後には何も聞こえてないような様子。目も見えてない。
 病状は進行しているように見える。
 ご飯は食べる。
 血液検査では何もひっかかってこない。
 神経系に異常があるかどうかの詳しい検査には、CTなりMRIが必要になる。個人の動物病院のほとんどにその設備はない。(仮に、保護主が調べると言い切って、大学などを紹介したとしても、予約だの順番待ちだのなんだので、2〜3週間先になるのがオチだったりもする)
 
 さわられるのはわかる。撫でると目を細める。ごろごろ言ったりもする。
 でも、見えない。聞こえない。
 こんなに小さいのに、それでひとり。
 意識が正常なのかどうなのかわからない時間もある。
 ぼんやり座っているように見えている間、何を考えてるんだろうと思う。
 
 原因の憶測はできても、特定はできない。
 薬剤で発作を抑えながら、これ以上進行しないように、ただ祈るしかないのか。
 
 明日、どういう状態になるのか、来週はどうなっているのか、まだ予測がつかない。

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2005年06月30日

あたふた

 ちょと遠方の学会というか研究会に、行ってもいいよと突然いんちょから許可が出た。以前から行きたいと思っていたのだけど、毎年土日といんちょが行っていたから、自分はいつもお留守番。職場で診療していたのだけど、今回は行かないらしいじゃないの。先週、他の学会で土日お休みしたからなのかしら。
 あまり日にちがないもので、もう事前登録の時期も過ぎているし、旅行会社主催の格安出張ツアーみたいなのもどれも取れなかったし、費用は全部自腹なんだけど、それでも行きたいー なのでした。
 地味に過ごしてこよう…
 
 や、朝から夕方までみっちりだし、一日目は頑張って早起きしなくちゃーだから、遊ぶ余裕なんてないんだけどぅ〜

 あぁ、今年も学会やらなにやらが活発なシーズンを迎えておりますわー。取捨選択をしっかりしなくちゃ。行きたいのが重なってカナシイ思いをすることもある。うっかり両方申し込んじゃったぃ(片方は無料講習だからよかったんだけど… ぅぅ

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2005年06月26日

げんなり

 もう何日も前になるけれど、ひさびさに、飼い主さんと喋ってて「とっとと帰ってくれなさい」と思った。
 
 詳しい経緯は省く。そのひとは自分ちのわんこ(10歳)に対して、自分の身勝手な視点からの愚痴を延々と述べた揚げ句、「いつまで生きるのかしら」「厄介なものをかってしまった」と言ったのだ。
 
 定期的な予防はきちんとしているし、見た目でもその飼い主が言うほど虐げられた生活をしているようではないのだが(少なくともお嬢さん方はかわいがっているように見える)、それにしても。こういうことを動物病院の待合室でスタッフに向けて延々と語る理由が判らない。
 
 ほんとに久しぶりに、飼い主さんに対してキレるかも。と思った。が、愚痴の内容があまりにも根拠のない感情論だったので、一方でものすごく萎えてしまって。
 
 それを今ごろ蒸し返してぐだぐだ書いているのは、自分の中で消化不良になっているからなんだな。

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2005年06月10日

飼い主もかわいぃ

 血液検査にきたわんこさん。健康状態は問題なくて、診察が終わったあとは、看護士さんが爪切りをってことで、自分は診察室からいったん出て、しばらくして戻ってきたら、わんこさんはおとなしく爪を切らせていた。

 確か、爪切りは大嫌いな子ではなかったろうか。と、飼い主さんに聞くと、そう言えば以前は暴れてましたねぇとのお返事。
 そうこうするうちにさくさくと爪切り終了。
 稀に見るおとなしさで爪を切らせてくれたので(たいていの子はおとなしく座ってるだけ、なんてことは有り得ない)、いっぱいわんこをホメた。

 リードは飼い主さんが持っていたので、「はいどうぞー」と、リードを付ける金具を飼い主さん側に出したけど、なかなかリードを付けてくれない。
 看護士さんとふたりして、「?」って顔をして飼い主さんを見たと思う。

 そしたらその飼い主さん、ぼそっと、「もっとホメてやってください」。(と言ったんだと思う)

 飼い主さんは、にじぅ代半ば〜後半と思われる、ちょとゴツいお顔のおにーちゃんでございました。
 いつもの3割増しくらいホメちぎってみましたw

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2005年06月08日

双方びっくり

 病院(職場)の入り口はガラスの自動ドア。その両サイドもガラスになっていて、外から待合室の中が見えるようになっている(すりガラスが一部に入っているけど、中の様子はほぼ丸見えになる)。待合室には、二人がけのソファが二つ。14インチのテレビを置いて、病気やノミ・ダニのこと、しつけなどの啓蒙ビデオを流している。
 
 ところで、外から中が見えるってことは、受付からも待合室越しに外の様子が見えるってことで。病院の前をお散歩していくわんこの姿が見えたりしている。(通りすがりに、自動ドアを開けていくわんこも最近は多い)
 
 診療終了(19時)が近い時間のこと。
 受付を通りすがりにふと外を見たら、薄暗がりの中、10歳くらいの子供がこちらを見ていた。口が半開きで、何か、怖い表情をしていて。
 
 も、もしや、ナニかの霊とか、そんなひとですか なんてことが頭をよぎる。
 ほんのちょっとの間、自分がかたまった。
 
 その直後、「うっわー。すっげー! こえぇぇぇー!!」という叫びを残して、その子の姿が去っていった。
 
 

 何かと思ったらですね。待合室で流れてたビデオが、ちょうど、マダニの被害の場面で。マダニの体が吸血で膨らんでいく(体積は100倍になる)シーンや、何千個という卵を産卵しているシーンなどなどが流れていたのです。通りすがりの子供が、そのダニを見かけて、あんまりびっくりしたら口を開けて見入っていた。ってことらしい。
 
 やぁ、ノミやダニは。拡大したらほんとにグロテスクだし、そこを強調して、世の中の飼い主さんにしっかり予防をしてもらおう。ってビデオなわけですが。
 通りすがりの小学生まで啓蒙してしまえるビデオだとは知らなかったですよw

 おかげで病院の中のスタッフまで、口を開けて固まるところでしたけれども(その子を目撃したスタッフはみんな、ナニかいるのかと思ってしまったとか…)

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2005年06月06日

自戒

 どんなに客観的に考えたつもりでも、自分の仕事への評価なんてーものは、他人からの評価に比べて3割以上は甘くなるもんだ。
 
 …勉強にしろ、仕事内容にしろ、もっと頑張らないとなぁ。初心を忘れちゃ〜イカンですよ。

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2005年05月31日

迷子わんこ。事前事後。

 迷子のわんこを預かっている。
 保護した方が、あまりに汚れていたので洗ったということで、連れてこられたときはきれいだった。が、毛が伸び放題の上に、預かってからまたかなり経って汚れてきたのだった。

050531_1.JPG

 イウォーク(すたーうぉーず)を連想する顔だと思うのだけれど、スタッフにそれを言ったが、知らなかった…(彼女たちはにじぅ代前半だし、SFファンでもない)。そんなかなしさはともかく。
 耳から毛玉が生えているよ! という恐ろしい状態にもなっていたので、スタッフが頑張ってカットした。


050531_2.JPG

 別人〜 ♪

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2005年05月24日

肥大性骨症

 肺に腫瘍ができたわんこが、肥大性骨症というのになることがある(厳密に言えば、肺の腫瘍でなくても出ることはある)。難しくないコトバでいえば、四本足の手首足首を中心としたあたりが、骨ごと腫れてくる感じ。これは、根本的な治療は、原因となる腫瘍の切除になる。
 
 1年ほど前、転院してきたお年寄りわんこがこの病気にかかっていた。その時点で既に、犬種の平均寿命をやや越えかけているくらいのお年。飼い主さんは手術を希望しなかった。抗炎症薬を内服投与で見ていくことになった。肺の腫瘍は切除しない限り治らない。それだけは了承してもらって。 

 1年近く頑張れるとは予想していなかった。腫れた足は、来院時に見られた骨膜反応がかなり引いた時期もあった。つい最近まで、1時間近くお散歩に出ているということだった。
 
 その子が、ご飯を食べなくなったと来院したのが先週半ば。病院ではご飯を食べたので、そのままお返しした。
 日曜には呼吸が悪いと来院していた。そして今日、苦しそうだという電話があった。夜に何度か苦しそうな声で鳴いたあと、血便が出るようになり、もう立てない。呼吸は荒く、意識は朦朧としている。あまりにつらそうだからと、おうちの方は涙ながらに安楽死を選択した。

 安楽死は、麻酔の注射薬を使う。
 静脈に薬を入れはじめると、まず眠った状態になる。そのまま薬を入れていく。
 つらそうな呼吸が、緩徐になり、やがて止まる。
 
 
 この子は本当に頑張った。肺の腫瘍は、それ自体では症状が出にくい(症状が出るころには末期になっている)こともあるだろうが、12〜14歳で亡くなる子が多いこの犬種で、腫瘍を抱えながらもうすぐ16歳になろうとしていた。腫瘍があると確実に判明してから1年あまり、この子なりに元気に過ごしてきた。
 日曜に、院長が「撮らせてもらった」と言った胸部のレントゲンでは。腫瘍はもうかなり心臓や気管をを圧迫するほどになっていた。影響が全身に及んで、それでもぎりぎりまで、精いっぱい頑張っていたんだと思う。
 
 
 症例として、肥大性骨症が抗炎症薬で1年近い間コントロールできたということで、記憶に残るだろう。
 でも、この子自身のことも、きっとずっと忘れない。お散歩が大好きで、おとなしくてとてもいい子だった。

 この子の名前のタイトルを付けるわけにはいかないので、この先ずっとこの子を連想すると思われる症候群の名前にした。

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2005年05月12日

飛ぶように過ぎる日々@5月

 最近、麻酔をかける処置の内容が、スケーリングばかりだねぇ(手術の割合が少ない)。なんていってたのが先週のこと。

 聞こえてたかのように、手術がどかどか入りましてん。しかも大掛かりなものが週明けに二日続いちゃって、ちょっとへろろん。以前は絶対にお昼休み中にはしなかった骨盤骨折の整復も、ねことはいえ、お昼にねじこんじゃったりで(折れ方にもよるけど、今回のように両側折れてると、けっこう時間がかかるので、ウチのように獣医が少ない病院だと診療時間後にやることが多いのです)。まぁそれでも、仕上がりは悪くないからいいのです。うん。さすが外科部長ーっ*
 …や、いんちょが見てないところで持ち上げてもしょーがない。

 フィラリア予防というのが、私がいる地域だとだいたい5月から始まるので、投薬前の血液検査のために、わんこたちがたくさん来院します。(そして薬を持っていく)
 狂犬病予防注射というのが4月にあちこちの公園で行われますが、病院でもやっているもので、ついでにお願いしますーと言われることも多いのです。
 そのうえ、なぜか混合の予防注射(狂犬病以外の、わんこ特有の病気の予防注射)をこの時期にするわんこも多いのです。

 というわけで、他の季節以上に、わんこにまみれております。
 予防注射をするときには身体チェックを(させてくれる子には)するのと、フィラリアの血液検査のときにご希望のわんこさんには他の項目の血液検査もするので、そこでひっかかってくる子もいるのです。飼い主さんが気づかないところの問題が見つかる時期でもあります。

 てなことで、総スタッフ数の少ない、ウチのようなちっこいどーぶつ病院はてんやわんやなのです。
 こういったときに、時間のかかる手術がはいると、けっこぅ消耗してたりします。うちに帰り着いてからよーやく、「やれやれ」と座ったり。

 とはいえ。カラダが忙しいのはしばらく倒れていればよみがえるので、気持ちは元気なのです。重傷と重症は違うのです(骨盤ねこさん、上半身は元気いっぱい。その前に手術した子も経過は良好)。

 そんなこんなで、翌日のことを考えることすら出来ないので、休日の予定が立ちませんですの。やりたいこと行きたいところはあるんだけど、覚醒するころにはお昼になってるのー。。

*外科部長
 院長は、他のいくつかの病院とグループを形成しておりまして、定期的な勉強会やら厄介な手術などで寄り集まっているのです。ウチの院長はグループの中では長老(開業25年)だったり、外科好きだったりもするので、他の病院での手術の際にはよく召喚されてます。んでもって、外科部長と呼ばれているワケです。

 うちのばやいは、フィラリアの薬を5月末からはじめるので、それに間に合わせようと血液検査にやってくるわんこさんで、今月末はきっとたいへんな騒ぎなのです。だいたいにおいて、この時期やってくるわんこさんのほとんどは元気ものなので、こちらも脳内麻薬ばんばん出して元気に乗り越えるのですー♪

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2005年05月10日

のらっち(事故猫) その後

 退院。
 保護したひとのうちに引き取られていった。まだとても若いけど、歩くことは二度と出来ない(けど、前に進んだり方向転換したりはできるから、ワタシ的にはあまり気にならない)。

 保護主さんが、世話を見切れるかどうかが気になるところでは在るものの、ご主人に先立たれ、長生きしてたわんこさんも去年亡くなり、たくさん面倒を見ていたねこさんも、今は家に1匹。

 とんでもない状態のねこさんを保護した(少なくとも、病院に連れてこられたときには大変な状態だった)ことを、とてもとても嘆いているようなことをおっしゃっていたが、どっちにしろ、途中で投げ出すようなことをするひとではないと信じている。

 体は不自由だけど、元気いっぱい。
 これから、新しい家で、しあわせに暮らしていけますように。
(てなことで、本人は多少いやがっていたけど、思いきりなでくりまわしておいたw)

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2005年05月05日

頑張るのらっち (事故猫

 何を頑張ってるって、排便なんですが。
 後ろ足が利かないぶん、上半身で頑張っているのです。その顔がかわいらしぃのです。その頑張り顔で見つめられたりするのです。もぅたまりません。(その状態で人間を見つめるのは、人間のことを怖いと思ってるから、目を離すことが出来ないんだと思うんですが)
 あ、でも、今日はしゃーしゃー言ってても、攻撃はありませんでした。このままぐりぐり撫でさせてくれるようになるのが理想〜

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2005年04月30日

事故ねこ …のらっちー

 何度も話題にするけど、同じ猫。全然慣れてくれませんですよどうしましょう。ごはんは手からでも食べるくせに、手にごはんが乗ってなかったら、果敢にパンチとかぶりつきで攻撃してくる。しかも日々、その攻撃速度は増している(気がする)。

 ところで、心配してた排泄も、どうやら自力で出来る模様。下半身を車にやられた子は、排泄の障害を持ってしまうことが多いので、気になっていたのだ。

 とはいえ、本人としては、立ち上がってトイレに入れるわけではないので、だいたい常に我慢をしている。

 それが、興奮すると、出始めてしまうらしく。
 そして、出始めたら、出し切らねば気持ち悪いらしく。

 その間、ずーっと、こちらを見つめながら、「ふんーっ」と頑張った顔になっている。ベースはやっぱり、怒った顔なんだけど、それがまたかわいいのなんのって。頑張りようが、後ろ足が健常なねこの顔の比ではないのだ。

 あぁ。今度写真撮ろう〜〜っ。

 今日は、激しいパンチと食いつきがありました。どんどん凶暴になっている気がするぞ…(それはそれで大弱り

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2005年04月27日

今日の一句

術帽で 寝癖が直る 長丁場

解説:
 手術用の帽子をかぶっているだけで寝癖が直ってしまうほど、手術が長いことであるよ(季語なし)。

深読み:
 術帽で、前髪がぺちゃんこになったら元に戻らない(戻す暇もない)という悲哀には触れていないところに、仕事への熱意が現れている。

豆知識:
 手術用の帽子は、目的が目的なだけに、ムレる。
 かなしい。

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事故ねこ。

 保護されてきてから、そろそろ2週間になる。それから左後肢断脚と断尾、避妊という手術を乗り越えた。神経症状がたびたび出ていたのが心配だったのだが、それもどうやら落ち着いてきた。斜視気味だった視線も、もとに戻ってきた。

 元気になったのはいいのだが。

 ひとの顔を見るとシャーシャー言う。生粋のノラだったらしい。迂闊に手を出すと怖がってかぶりついてこようとする(体の自由が利かないので、それほど素早い攻撃にはならない)
 それでも、ご飯はひとの手から食べる。指に缶詰を乗せて指し出すと、ぺろぺろ舐める。缶詰を取る。ついでに指も噛みしめてみる。…い、痛いですよそれは。しかも奥歯でがっつり噛んでるっつーの。

 人間が怖いのは仕方ない。まだまだ若いノラさんだし、体の自由が利かない(残っている後ろ足も動かない)とあっては、警戒心もひと一倍になるもんだろう。怒ってはいたって、人前だろうとなんだろうとご飯は食べるし、撫でているとぶつぶつ言いながらも気持ちよさそうにしている。

 体調をしっかり戻していくのも大きな問題なのだけど、ひとに慣れてもらわなくてはならない。本人の同意があまりなくても、外来がないときはなでくりまわしている。
 なでるのを、それほど嫌がらなくなっているのは、たぶん気のせいではないんだろう。

 うみもこうして、後ろ足が全く利かない状態で、1ヶ月以上入院していたのだった。最初から引き取るつもりでいたわけではないし、あれからもう何年も経ったから記憶は鮮明ではないのだけど、マメに面倒を見ているうちに妙に懐かれてしまったことは忘れられない。私がケージのドアを開けるたびに、前足だけで急いで駆け寄ってきたのだった。

 そこまで慣れろとは言わないけど。
 ひとの顔を見て「しゃー」って言わなくなってくれるといいなぁ。。。

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2005年04月24日

消化不良(職場への電話

 職場に問い合わせの電話があった。らしい。
 
 スタッフが電話に出ると、交通事故のねこがいて、どうやら骨折しているらしい。とのこと。それで、治療費はいくらになるかということだったらしい。お名前を尋ねると、「名乗りたくありません」。
 いんちょにしろ自分にしろ、じぅいの手が空いてなかったので、詳しい話はできなかったようなんだけど。。。

 交通事故で骨折した。というのは、治療費を概算する情報としてはほとんど役に立たない。同じ場所の骨折でも、骨折の仕方や手術の仕方で費用は違う。骨折が何ヶ所あるかもわからないし、そもそもその子の問題が骨折だけという証拠も何もない。検査は必要だし、その結果によっては、さらにたくさんの検査が必要になることもある。頭や脊椎は別として、外から見てわかる骨折ですぐに死ぬことはあんまりないが、内蔵のダメージでは死に至る可能性も少なくない。
 
 …なんてことを、本来は延々と語らなくてはならないのだけど、そもそも名乗りたくないというひとが相手だと、そのとき手が空いてるひとが対応する他はないわけで。
 じぅいがくてきな知識は、あんまりないひとが対応した。しょがないので、事務的なことを伝えるだけになってしまったらしい。ウチに来るなら、その子のために早めに来てください。と言い添えて。
 
 名乗りたくないというなら、ウチの患者なのかもしれない。そうではないかもしれない。どっちにしろ、ウチの病院に対して信頼を持ってないと正面から言われているようなもので。こういう問い合わせの仕方をされると、前向きになんとかしてあげたい!って気持ちが、とても起こりにくい。ねこと関わるのはいいけど、ひとの方とはあんまり関わりたくない。トラブルにならないようなことがトラブルになりそうで…。(そんなことを言ってちゃいけないんだろけど)
 
 もし、ウチの患者さんで、ウチに信頼を置いてないなら、それはこちらにも責任はあるだろう。でも、どこにもかかりつけを持ってないひとで、しょっぱなからこういう問い合わせをしていたら、治療するがわも困惑するのではないだろうか。
 んーでも一方で、「けっこぅひどいどぅぶつびょぅいん」の話もちらほら聞いたりもするから、それも仕方がないことなのかなぁ……。
 
 世の中の「飼い主さん」には、自分ちの子が元気なうちに、「信頼できるかかりつけ」を探しておいてほしいと思う。腕がいいってことも重要だろうけど、そんなこと、はっきり言って患者にはわかりようがない。
 なもんで、「信頼できる人間かどうか」で判断するしかない。信頼できるホームドクターであれば、いざというときは、しかるべき専門医に紹介してくれるもんだ。と思う。(あ、でも、地域差はあるかもしれない)
 
「医」がついてる職業で食ってても、しょせん人間なのです。医者と患者、相互の信頼関係って、とっても重要だと思う。

 結局何が言いたいんだかという脱線ぶりになってしまったけれど、ちょっと消化不良の電話があったらしい。ってことで。

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2005年04月18日

気が立っていたワケ

 今、治らない患者を複数抱えている。平たく言えば、「万策尽きた」状態。
 
 へこみますな。
 
 土曜は、そのうちのシーズーの子が、本当に万策尽きた状態なのかを調べるのが最後の仕事だった。診療時間が終わったあとも、院長はおうちのひとと話を続けていた。この子がどういう状態にあるのか、考えられる対策、そこに至るための検査にはどういうものがあるのか(開腹しないとほんとのところはウチではわからない、という話をしていた)。開腹してまで調べるためには、今までの治療に反応してるのかどうか調べてみるということになって。
 治療に無反応。ということがわかったのだった。
  
 慢性腎不全のねこっちは、とうとう乏尿になった。

「万策尽きた」ではないけど、事故に遭って左後肢としっぽを切断したねこさんは、右後肢もまともに動かせない。力を入れても、関節を曲げることが出来ない。(曲げていると怒られる。…まぁのらっちだからしょがない) 体が回復したとしても、保護主が、世話できるだろうかというところが最大の焦点。

 体が疲れるのは食えば戻る。
 でも、そういう問題じゃないのだな。
 いんちょは「胃が痛い」と苦笑いしていた。そういうところ、好きだ。どんな病気も回復させられるなんて驕っちゃいない。それでも、治らない子がいると、へこむ。

 まぁ、へこんだりなんだりで気が立っていたと言っても、「そうだったの?」って言われるくらいだったんだから、ひとさまの迷惑にはなってなかったと思うんだけど。

 …んー。
 
 だからせっかく休日を有意義に過ごしたのに、蒸し返してたら眠れなくなるっちゅーの。
 寝なきゃー。 きゃー。

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2005年04月12日

いいんだか悪いんだか

 階下に引っ越して来たというひとがあいさつに来た。
 …が、引っ越しのあいさつではなかった。

「犬を飼ってるんですけど、かかりつけの病院が遠くなったので、そちらの病院にかかりたいと思ってるんですー」

 …て、うちは個人宅ですよーっ。しかも“私の”病院ではないし〜。
 
 場所が判らないということで、地図を引っ張り出してきて説明。明日だか明後日だか来るとのことですが。
 
 今まで患者さんに鉢合わせないようにひっそりひっそり出入りしていたのにー。にーっ。
 元気なときはともかく、緊急時に叩き起こされたらどうしましょーとか、心配してみるのでした。
 
 情報源は大家さんか不動産屋さんに違いないのです。どっちも患者さんなのす…。

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2005年03月11日

あたふた

 本来の仕事である診察その他をしながら、ダイレクトメールの書式を作って、はがきとタックを1000枚くらい印刷し、海外へ転出するわんこさんの書類(転出先の国によって書類や必要項目がビミョーに違ったりする)を作り、次々来る入院の検査をし、専門機関に送る検査の書類を作り、わんこドックをした飼い主に渡す資料を作り、院長が診た子の内服薬の計算をする。そうこうしているさなかにも、院長からこまごまとした雑用が飛んでくる。そんでもって職場は慢性人手不足。

 …一度にたくさんのことはできませんよー。手も目も一対しかありませんよー。のーみそは一個ですよー …

 急かされて作った書類やら資料を渡し、「あとで見ておく〜」と言われたまま、一日が終了してしまった。結局どーなったんだろうあれは。と、帰宅してから思い出した。

 水曜に保護されてきた、重症のハトさん。落ちると思ってたのがまだまだ頑張ってるのが救いですょ。がしがし強制給餌しちゃいますょ。落ちるってーのは死んじゃぅって〜ことですょ。

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2005年03月05日

終わりよければ…(ボタン電池)

 いんちょと奥さんは休暇中。雪が積もって午前中はひまひま。やれやれ。なんて思っていたら。

 ボタン電池飲んじゃったんですー! という電話。

 うわぁ。電池ですか。一瞬気が遠くなる。これは飲んじゃうととんでもなく危険なシロモノで、触れた粘膜が腐食する。要するに、食道でひっかかれば食道に穴があく。ということで。他の異物と違って、催吐剤を使って吐かせるのは禁忌。じゃぁどうすればいいんだよってことは、どの文献にも書いてない(笑)。自分自身は経験がない。
 困ったーと思いながらも、すぐ来てくださいー てことで。

 この間に、いんちょと付き合いのある近隣の先生に相談しようとしたら、こーいうときに限って外来がわーっとやってくるもんで。とほほ。(ここには内視鏡があるがウチにはない…)

 結論から言えば、レントゲンでは体の中に見つからなくて、「口の中にあった。口を閉じた次の瞬間にはなくなっていた。その後は吐いてない」という目撃証言(?)とは食い違うものの、おうちでもっかいよーく探してくださいとお帰ししたのだった。
 あとになって電話がかかってきて、ボタン電池が落ちていたとのことで。口の中に傷もなかったし、何がどうなったんだかよくわからないけれど、胸をなで下ろすってーのはこういうことですよ。わんこはきっとさんざん叱られちゃったんだろう。

 帰宅してからネットでボタン電池の誤嚥を調べてみると、やはり小児科では問題になることがあるようで。救急の先生のお話は非常に参考になった(小児科の先生同士でのスレッドのようなところに行き着いた)。先生方の意見や処置にはかなり食い違いがあって、正直なところ、とても驚いた。あぁでも、勉強になりましたわ。

 今回のことでよかったことと言えば、電池のんだわんこのおかーさんの実家のわんこが入院していて、ついでに面会していってもらえたことかも。お年寄りわんこなのだけど、久しぶりに会ったおねーさん(=電池わんこのおかーさん)にはしゃいで、彼女にしては軽やかな足取りになっていた。

 まぁ、終わり良ければすべて良しってところかしらー。

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2005年03月01日

ねこの事故。

 ここのところ立て続けに職場のそばでねこが事故に遭っている。目撃の話だけを聞くこともある。そのうち助かったのは、飼い主がなかなか見つからずに、ずーっと入院していたとらねこだけ。

 この時期に事故が増えるのは、今がねこの発情シーズンであることが、大きく関わっている。

 外に出す子、出ていっちゃう子は、避妊去勢を必ずしてほしい。このシーズンのねこは、どうしてもケンカが増えるし他のことに気を取られているから車に対してとても不注意になる。無事に帰ってきても、ケンカをすれば、ウイルス性疾患をもらってきてしまう確率が非常に高くなる。

 …たのむよー…。

 ずーっと心配してた、職場お向かいのねこさんも事故に遭ってしまった。通りすがりのひとが見つけて病院に言ってきたので、自分が回収してきた(保護とは言えない姿だった)。近くのコンビニによくいて、通りすがりのひとに愛想を振りまいている子だった。家族(兄弟か親子関係)の子が、一昨年職場の真正面で撥ねられた。そのお宅のねこはもういなくなってしまった。

 ねこが事故に遭った話は、聞かされるのが本当に嫌だし、ずっと忘れられないから、ひとにもしたくないのだけれど。伝えていくことで、事故に遭う子が1頭でも減ればとも思う。

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2005年02月18日

ガス欠。になったり。

 昨晩、たまにハマる“なんとなく鬱”にどっぷり浸かってしまい、これはえらいことですよと眠れないながらも思っていたものの。

 今朝は元気に起き出して、出勤前、いつも以上に用事を済ませて。
 気合いの入ったスケーリング。患者は、これが生涯最後のスケーリングになりそうな予感のわんこ。前回のスケーリングから1年3ヶ月。麻酔をかけてからよくよく観察してみたら、これがまたえらいことで。前回の口の中よりもえらいことですよ。歯が浮いてますよ歯茎は腫れはれですよ歯石はとりにくいですよ。ってなことで。

 負けるもんかー と頑張っていたものの。その長い歯石取りにつづく抜歯で。

 力尽きました。

 へにょ。

 歯肉がとても後退して歯の股(といっていいのか)も丸出しだったもので、もちっと楽に出せると思ったのだけれども。この子はもう麻酔をかけたくないから、痛みの元になりそうな歯はなるべく取ろうと思ったのだけれども。

 でも、まぁ、麻酔から覚めて元気になってきて。毛並みを整える間に待たせて、ごほうびを見せたら手ごと食べそうな勢いで食いついてくる感じだったし。いいかな。
 最近口を触ろうとすると本気で怒っていたとおうちのひとが言っていた。痛い歯がなくなったことで、もちっと穏やかにおうちのひとに歯磨きさせてくれるようになってくれば、もっといいかな。

 なんて思ってると、また元気になってくる。
 自分が頑張って元気になる子がいるなら。
 頑張りますかしら。

 たまの“鬱”がなぁ。根拠のないものではないのが痛いところ。

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2005年02月17日

みつかったーっ!

 いましがた、職場スタッフからメールが来た。
 保護中の茶トラねこさん、飼い主がみつかったとのこと。
 心配事はまだたくさんあるけど、それでもそれよりもなによりも。
 よかったーっ。

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2005年02月08日

骨盤骨折整復(まいごねこその2

 仙腸関節が両方外れていた。その他にも問題はあるけれど、これはこれ以上放置できないということで、飼い主が見つからないまま手術に踏み切った。

 その後、「復習」と称して、骨盤骨折を特集している外科雑誌を読み返した。

(余談: …そりゃ〜透視装置があれば楽に手術できるんだろうけどぅ〜…。
 なるべく低料金で医療を提供すると、こういうところで非常に困る。のかもしれない、新しかったり高かったりする器材の購入資金はいったいどこから出てくるのかという話でもある。診療料金が低いのを、何も考えずに「良心的」と評されるのを院長が嫌うのもわかる気がするのだった。)

 てなことはともかく。飼い主のひとは早く名乗り出てくれなさい。
 ねこさんは自己紹介ができないのですよ。
(てなことで、外に出さない子にも迷子札をつけることを推奨しております)

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2005年02月01日

いちにち(ただの書き連ね)

 昨日、診療時間終了間際に来た、お年寄りゴールデン。貧血があるのと、過去に脾臓に腫瘤があったのとで(別の緊急手術中に発見。触れる状態ではなかったので飼い主と相談の上放置)、すっかりてっきり腹腔内出血かと思ったら違う。肺に大きな問題が〜。(ついでに、エコーが壊れているらしいことも判明した…)

 昨日保護されてきた事故ねこ。骨盤がごっきり折れている。全身状態の改善のための治療と飼い主探しを同時進行中。

 単なる迷子猫。どうみても純血種なのだけど、放浪が長いのか、たいへんな姿形に。長毛が巻き込んでいる小枝や葉っぱを取って、全身状態の改善のための治療中。かなり栄養状態が悪い。

 わんこのドック。採血もレントゲンも、うがうが言いつつもやらせてくれる、むちむちの柴。かわいいのだー。身体検査の合間にも外来が来て中断になってしまうので、そのたびにケージに戻していたら、そのたびに文句をおっしゃっていた。

 腸閉塞で手術したわんこの抜糸…ついでにお隣のねこさんが具合が悪いとのことで来院。お歳も召しておられるので、一般検査。その他必要と思われる検査をあれこれ。レントゲンでは、心臓が変位していて、ぱっと見では心臓が行方不明なんて珍しい像になっていた。んでもって入院。

 …てのが午前中の仕事。あまり話題にならないような、「いつもの診療」てのも合間に入る。
 なんだか朝から採血しまくりのレントゲン撮りまくりな印象。気がついたら12時をすっかり回っていた。

 午後の手術。乳腺腫瘍と骨髄穿刺(別の理由)。麻酔をかけるならついでにスケーリングもお願いします。10歳越えてきて、生まれて初めてのスケーリングです。てなことで。
 何年も前に別の病院で乳腺腫瘍で手術している。残った乳腺部に、腫瘤が現れた。再発というのだろうけど、病理学的に見ると全然別の腫瘍の可能性もある。切除して病理検査へ。骨髄は以前から気になっている血球の問題。麻酔をかけるならということで多分これはついでなのではないかと思う。スケーリングもそうなのだけど、これはもうがっしりどっしりした歯石がいて、気が遠くなるような感じ。結局2時間近くかかって終了。
 なぜ「ついでに」が多いかというと、心臓疾患を患っている子だから、おうちのひともなかなかスケーリングなどに踏み切れなかったのだった。それが腫瘍が出来てしまったから、これは取らねばなるまいということで。

 そのまま3時を過ぎてて午後の診療。数が多くなくて幸い。
 手術で取った腫瘤つき乳腺をホルマリン漬けにして検査センターに出さねばと荷造り。骨髄はそれはそれで標本を作製。午前中に採血した子たちの血液塗抹で見てないものを整理、ドックのわんこの検査結果を整理、入院してるそれぞれの子たちにした検査の結果を整理、おうちのひとがやってきた場合には説明、退院の子たちの退院セット(笑)作成、説明…などなど、診療以外で時間が過ぎていく。
 
 診療時間終了間際の、ほぼ一段落したころ、おとしよりねこさんが来院。呼吸がものすごく悪い。血管確保して検査して…と、診察台に乗っかってる子のサイズは違うけれど昨日とやってることが変わらない。あぁ、助かるのかなぁ。長らく診てる子が弱っていくのを見るのはつらいものがある。

 なんだかんだでそんないちにち。お腹を壊してる間もなく(笑)
 問題は、似たような問題を抱えた子や、似たような姿形の子が複数いると、あたふたしているときにはだれがだれだったかパッと思い出せなかったり、検査結果の記憶が交錯しちゃったりすることがあること。
 やることがいっぱいでも、院長に急かされても、待合室が患者であふれてても、仕事するときは順番に落ち着いてやらなくちゃー。

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2005年01月25日

ねこまみれ

 珍しく、手術もドックも、外来の多くも、そしてその中の重症の子たちも、ほとんどがねこだった。

 動物病院にやってくるのは、本来は犬の方が多いんだけれども。こんな日もあるのねー なんて。しかもその猫たちのうち、何頭かが89年生まれだった。長生きさんぶらぼぅ。

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2005年01月24日

あかるいにぅす。

 リンパ腫のわんこ。抗癌剤をはじめて一ヶ月あまり。
 副作用も出ずに、症状がなくなった。元気も出てきているし、体重も増えてきた。

 ここんとこ、おとしよりわんこが亡くなる話が相次いでいたので、嬉しい話だったのでした。

 完全寛解するといいなぁ。

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2005年01月11日

連休明け。

 朝いちばんから…というか、診療時間よりずいぶん前から、病院の前に車が停まっていた。中にはおとーさんと猫さん。腹水が溜まっていご飯も食べられない。検査のために入院。…のあと、なんだかわかんないけどレントゲンを撮らねばならない症例が相次ぐ。レントゲンは1台しかないので(てゆか小さい病院だと大概そうだろう)、次々に。…て、おいら外来診てなくちゃいけないんじゃないかしらとふと現像しながら思っていたり。

 入院した子たちがどれも重症。明日手術になった子もいる。細胞診を専門機関に送らねばならないのもある。

 今日のうちに明日の手術の予習をして、重症の呼吸器感染の薬剤の組み合わせをもっかい考えて、えーとえーと。

 患者さんと話している間以外はほとんど止まる間もなく仕事してたからか、足が痛くてかなわんですよ。あぁ、座っていられるしあわせ〜…(資料読んでたら寝ちゃうかなぁ。もっと語りたいことがたくさんあるけど、ちょとぐったりですわ

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2005年01月05日

思わぬ手術はじめ。

 今月の要麻酔処置(手術やスケーリングなど)とドックは、7日の金曜日から始める予定だった。7日からはじめて、今月の予定は…二日分だけ空いている。あとはいっぱい(日祭日と、午後休診の木曜日は除く。てなことで)。

 が、7日に予定していた手術を、いんちょの都合(獣医師会関連)により、今日にすることになった。おうちのひとにお電話してみたところ、○日までだったらいつでもいいです〜と快諾してくださったもので。ありがたや。

 ラブラドールの大きな腫瘤。オトナの男性の握りこぶしよりも大きい。脇の下にできて、徐々に大きくなってきた。細胞診をしてみたら、悪いものではないのだけれど、それでもこの場所であまりにも大きく育ってしまうのは困る。ということで切除が決定したのだった。腫瘤の表面は、日常の動作の中で擦れて、毛がなくなっていしまい、一部分は赤くなってきている。

 …と、準備をしているところで、胸水が貯留してしまったねこさんが飛び込んできたり、のらねこの避妊手術がはいったりと。なんだかあわただしぅございました。獣医師の数が多い病院だったらなんてことなんだろうけど、ウチは少数精鋭ですから。えぇ。...とほ。

 お預かりでご機嫌斜めのあまり怒り狂ってるねこさんが、あまりねこらしくない怒り方をしているもので、その声を録りたくてしょがないのだけれども、ちょと時間が取りづらい〜…

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2004年12月29日

仕事おさめ。

 …が、仕事は終わってない。
 胃捻転で昨日手術した子は予後はよさそう。今日は元気にごはんを欲しがっていた。骨盤骨折のわんこも、おかーさん手作りのごはんはものすごい勢いで食べる。…てなことで近日中に退院予定。んでも、ねこさん2頭はおうちのひとの意向もあって、入院のまま年越し決定。
 今日来院したわんこは胸水が溜まっている。細胞を取ってみたらば、なんだかリンパ腫っぽい。大晦日には診断をつけて、おうちのひとが希望するなら抗癌剤療法に持っていくことになる。

 んでもって、お預かりもいるわけで。けっこう慌ただしい。

 こんななか、ひとりだけで仕事納め。
 職場は大晦日の午前中まで診察をやっております〜…

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2004年12月28日

手術納め。…たぶん。

 予約があっての手術…ってわけではないけれど、月曜に骨折の手術した、先週事故に遭ってしまったわんこが、今年の最終になるはずだった。

 今朝。動けなくなったゴールデンレトリバーが来院した。
 胃捻転。これは、早急に手術をしなくてはならない。…というか、放置すると死亡する。なもんで、診断がつくまえから手術の準備。診断が着いておうちのひとに説明し、手術の準備が出来次第手術。外来はおやすみ状態。

 死亡率は非常に高い。手術は乗り切ったが、この後元気になれるかどうかはまだわからない。
 たぶん今年最後の手術になると思う。これが死なれたら立ち直れませんですわ。

 そんなこんなで、午後1時ごろにようやく落ち着いて。へろへろとお昼にしていたら。お昼休みのうちに電話があった。以前から具合が悪く、ぐったりしているという。会社で面倒を見てもらってるねこで、午後の診察は3時からだけど、今でないと連れてこれないとのこと。てなことで診たわけですが。
 これから大掃除なんですー。 と言われて脱力。今でないと連れてこれないってそういう理由ですか…

 なんだかんだで入院が増える。この暮れ正月は預かりの子がとても少ないからまだいいいようなものの。
 てなことで、今もへろへろですよ。帰ったらしばらく休もうと思ったら、うみさんが休ませてくれないんだこれが…

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2004年12月27日

事故わんこ

 先週車にはねられて、骨盤が割れるわ尿道は一部損傷するわでたいへんになっていた小型犬。先週末にはご飯を食べるようになっていたので、週が明けた今日に骨盤整復手術。今朝はご飯をもらえないので、きぅきぅ鳴いていた。

 骨盤整復の手術は比較的順調に終了。
 それでもやっぱり痛いのには変わりない。麻酔がさめかけるころにはとてもつらそうな声を出していたし、そのあともずっととろりんとした目をしてぐったりしていた。おかーさんが会いに来ている間も、手に顔を乗せたまま、うとうと。

 明日にはもうちょっと元気になっているだろうか。

 お正月は。おうちで迎えられるといいねぇ。

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2004年12月23日

おとしより

 おじぃちゃんなお年ごろのひとが飼っている、おばぁちゃんなねこさんがいる。あまり詳しく調べてはいないものの、腎不全はある。そして、何しろ高齢。脱水して毛がばさばさになっているけれど、本人はそれなりにしゃんとしていて、週に1度か2度ほどのペースでやってきては、スタッフに素早いぱんちを繰り出してくる。
 とはいえ、あとどのくらい頑張れるかなぁという状態であることには変わりないわけで。

 …と、ねこに気を取られていたら。

 その飼い主のおじぃちゃん。どうやらかなり具合が悪いらしい。持病については今までも何度か聞いたことがあるけれど、どうやらどれもが一度にやってきているようで。こないだは顔色が白かった。
 元気なときは威勢のいい江戸弁(おじぃちゃんの生まれはそっち方面だ)でまくしたてたりしていたのに、家主に「婿とっちゃダメだよぅ」なんてことを言う。がはは笑いで応酬したものの、長く居たスタッフが結婚したころとは言うことが180度変わっていることが気になって仕方ない。弱気になってるんだぁなぁと思う。

 ねこにも長生きしてほしいけれど、おじぃちゃんにも頑張ってもらわないと。
 どーぶつ病院にいる間の、気分をなんとかするくらいが精いっぱいだけれど。

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2004年12月22日

事故。わんこ。

 昨日、事故に遭ったというわんこが運び込まれてきた。交通事故の患者は最近めっきり少なくなった。ねこの室内飼いが増えたのが大きな要因だと思っている。
 てのはさておき。運び込まれてきた小型犬。家からぴょんと飛び出したところをはねられたらしい。外傷は少なかったけれど、調べてみたら骨盤のあちこちが折れている。もっと調べていくと、尿道が切れていることがわかった。

 これは。放っておくと、死んでしまいますですよ。

 診療が終わってから、開腹手術。骨が折れているのは死因にはならないので後回し。尿道を確保するためだけの手術になる。体調が悪いため、麻酔中にもどんどんと体温が下がる。うひぃ。他に問題はないか確認しながら、それでも大急ぎの手術。早く終わらせて麻酔から覚醒させないと、二度と目覚めないかもしれない。

 そんなこんなで昨晩の手術。麻酔から覚めてきたときの顔は、明日まで頑張れるのかなぁと不安になるような感じだったのだけど、今朝のわんこはくりっとした顔立ちでひとあんしん。尿道も問題ないらしく、腎機能も正常値。よしよし。
 これからは、点滴をしつつ全身状態が安定させることが先決。なるべく早く安定させて、今度は骨盤を整復させなければならない。割れた骨盤の断面が腹腔内に向いていて、尿道を傷つけていた。なるべく早く治したい。それでもやっぱり、全身状態が安定してないと、時間のかかる骨盤整復には踏み切れず……

 早く整復してあげたいんだけどなぁ。早くご飯を食べてくれるといいんだけど。。。

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2004年12月20日

なんだかもぅ。

 食道拡張症(原因はまだ不明)の子がいたり、骨肉腫(確定だと余命数ヶ月)らしい子がいたり、糖尿病がうまくコントロールできなくて嗜眠状態になりそうな子がいたり、消化管内出血(たぶん小腸上部。これから詳細を調べる予定)の子がいたり…

 たいへんなのは、一度にひとつでお願いしますよー…
 とも言ってられないもんで。あたふたあたふた。

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2004年12月15日

毎日歯科。なのか。

 今日は眼窩膿瘍(目の下に膿瘍ができて腫れたり破れたりする)のわんこ。歯根炎が原因なので、抜歯をせねばならない。

 てなことで、毎日のように何かしら歯科関連で麻酔をかけているような気がする今週。

 調べてみたら、原因になる第4前臼歯の三つまたの歯根のうち、どちらも1本ないし2本は、歯根も歯槽骨もがっちりしている。こういう三つまたの歯の抜歯は、それぞれの歯根にあわせてドリル(タービンと呼んでいる)で分割し、それぞれを抜くという、単根歯3本分の苦労をするわけで。
 抜歯はコツも技術もいるし、力もいる。1歩間違うと、鋭い器具で、患者の目や自分の手を傷つける危険性も高い。歯が途中で折れると、その歯根を全部取るためには大変な苦労をするハメになる(炎症を伴った歯根を残すと、さらに炎症が広がることがあるので、これは何が何でも取らねばならない)。
 最初はいんちょが抜歯を頑張っていたが、そのうちお鉢が回ってきた。

 ………。
 抜歯はな。家主の方がいんちょよりうまいかもな。ふ。
 って、歯科学会で講習も実習もみっちり受けてきたのだから、その成果がなくてはどーにもならないわけで。その上、夏に来た新しい器械の高速タービンがあるからこそ、できることで、今までのようにマイクロエンジンで…となると、もっと大変な作業になる。メーカーだったか販売店に聞いたところによると、この器械も年間15台くらいしか出てないようで(多分)、どこの病院にでもあるってーわけではないようで。(聞き間違い記憶違いだったらごめんなさいー)

 来年は。歯内処置までやるべきかどうか考え中。講義も実習も高度だし、費用もかなりかかる。
 もうひとつの問題は、そこまで望む飼い主がどのくらいいるかってーことでもある。わんこで摩耗している歯の子ってのは結構いるんだけど、平気で生活している子も少なくないんだよなぁ。。

 1月2月は、歯科処置キャンペーン中です。おたくのわんこにゃんこさんもおひとついかがですかいりませんかそうですか。
 ちなみに、うさぽんはじめとする小さいさんたちは対象外ですごめんなさいごめんなさい。

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2004年12月14日

今日のとびこみ

 水泳でも自殺でもない。

 とびこみ手術。セキセイインコの腫瘤切除。どうやら腫瘍だったらしい。
 なにしろインコもちっちゃいので、術野もちっちゃい。
 最近老眼になってきたいんちょの仕事なのだけど(家主は助手)、結局ルーペを使わずにやり遂げてしまった。

 麻酔のさめが少しばかり心配だったのだけど、帰るころには元気になっていたらしく、手術跡をおうちのひとに見せるためにいんちょが捕まえようとしたら、大騒ぎで怒っていた。
 やぁ、なによりなにより。

 インコでも手術するのかと聞かれることがあるけど、やらなければならないと判断して、可能な手術だったらやります。やらなければならないけど、うちでは無理そう(小さい道具があまりないから)と判断した場合は、専門で診ている先生を紹介します。(あ、あと、新患だと、専門を紹介することもあるかも)

 今日の元々のすけじぅる。猫の唇の下にできた腫瘍(1.2cmくらい。悪性の疑いが強い)の切除と、わんこのドック(ドッグドック)と。

 先日大変な思いをしたわんこのスケーリング。当の本人は食欲が増したようで。頑張った甲斐がありましたわ〜♪

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2004年12月13日

とびこみスケーリング

 1週間ほど前から口が痛そうということで抗生物質を飲んでたプードル15歳。ご飯を食べられなくなってきたとのことで来院。口の中を覗いて見ると、たいへんたいへんな。しかも強烈な匂いも。たいへんたいへんな。
 なるべく早くに口の掃除をして、ぐらついてる歯があれば取らなくちゃ…という話に落ち着いたものの。スケジュールを見ると今週はどこにも押し込みようがないほどぎっちり。だったらいっそのこと今日やっちゃいましょう。ということで、既に手術がふたつあるけど突っ込んでみた。

 もともとの予定その1、ねこさんの避妊。その2,うさぎの臼歯の処置。は、削らなくちゃかしらと思っていたら、麻酔をかけてよくよく精査したら、もっとたいへんなことになっていることがわかってあたふた。

 そこに突っ込んだお年寄りプードルの歯科処置。お年寄りなのでなるべく麻酔の時間は短くしたい。したいのだが。この口。
 歯石だらけで強烈な匂いが出ているのは仕方ないことなのだけれども、歯石を取るだけで、歯根がどんどん露出する。歯肉だけでなく、歯槽骨までも後退している。歯石を取る前からもぐらんぐらんの歯がいくつか。歯石を取るとそれはもっと増える。結局右側にあった臼歯は全部抜歯。どの歯もとても痛かったに違いないと思う。触るだけで揺れる歯というのは、何かを食べて圧力がかかるときにはむちゃむちゃ痛いけれど、何もしてなくても、じっとしてるだけで痛くて痛くて…のはず。抜歯も痛みを伴う処置だと思うけれど、持続的に痛んでいる大元を取り除いたのだから、時間が経てば、きっとずっと楽になるはず。
 ほんとのところは、痛そうな歯を全部抜歯することはできなかったんだけど。(歯が下顎骨を支えている部分があった。こういう歯をむやみに抜くと、顎の骨がこっきりと折れてしまう)

 1時間半の作業は、細かい作業でもあり体力仕事でもあり、臭くて感染の危険が伴う汚いものでもあるけど、この子のこの先の生活が楽になれば…と思う。

 もうね、歯を抜いたときに、その穴から膿がにゅるっと出てきたときには。予想できてたことだけど、やっぱり「ぅわわわわーっ」って思うのです。

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2004年11月17日

ねこの平均寿命?

 TVでねこの平均寿命を言い切ってたとかで、飼い主さん(60代後半くらいだろうか)がスタッフに質問をしていた。
 それにしても、母集団をはっきりさせていないのに、平均値を言い切るっちゅーのも変な話。だいたいねこの平均寿命なんて、飼い主さえ生まれ年をしっかり把握してなかったり、保護猫でそもそも年がはっきりしなかったりのねこもたくさんいる。そして、伝染病や寄生虫の罹患率は、日本国内でも地域差がかなりある。飼育下でさえそんな状態なのに、たーくさんいるのらねこのデータはいったいどこから出てくるのか。
 たとえばそれが、何年にどこで調査した得たデータを元に、という前提があれば信憑性はあると思う。でもただいきなりそんな結論を出されたら、首をかしげてしまうのだ。
 
 …という話は、その飼い主さんにはまるきり通じず。
 いったん割り込んでみたものの、何が聞きたくて何が言いたいのかよくわからない。いんちょが割り込んできて話をしていたのを傍らで聞いていたのだけれど。
 むーん。
 
 人間だって、てんでばらばら。出生届と死亡届があるから、日本では平均寿命がわかる。(他の国はどうなんだろう) 登録が義務づけられている犬ならともかく、ねこの寿命はどこで調べるんだろう?
 
 つまるところ、おうちのねこが、平均寿命よりずっと長生きですよーという結論が欲しかったような気もする。
 んでもね、内飼いのねこさんで、14,15歳は、最近は珍しくないのよー。なんて思う。
 
 とりあえず、わかるところで。ってことで、最近でのうちの病院でのデータをお話ししたのだけれど。納得してもらったのかなぁ。
 
 若くして亡くなる子は、ウイルス感染症(いわゆるねこエイズやウイルス性白血病、伝染性腹膜炎)、交通事故が圧倒的に多いんじゃないかと思う。
 あぁあと、主に人間の問題。「処分」や「捨てられた」じゃないかしら。。。こちらは、うちの病院では、数が全然把握できないけれど。。

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2004年11月16日

むずかしい

 おとしよりわんこ。
 立てなくなって、痴呆も進んで、すっかり痩せて、体温も下がってきた。
 いつまで頑張れるかなぁ。って状態になってくると、介護しているおうちのひとに、何といったらよいやら。と思う。
 だれもほめてくれないし、頑張ったからって立てるようになるわけではない。どんなに尽くしても夜鳴きは終わらず、近所から苦情が来ることもある。
 そんな状態で、毎日毎日ずっと頑張っている。中には、介護を頑張りすぎて、おうちのひと自身が入院してしまったなんてこともある。

 自分から見える範囲でも、それはそれはたいへんなことだと思う。

 ……にんげんは。もっと大変なんだろうなぁ。
 
 まとまらずに、ぼんやりモニタを見ていたら、うみさんが乗っかってきて、キーボードもトラックパッドも何もかんも踏んでしまうし、丑三つ時を過ぎたしで、今日はこの辺で〜。

 あ、でも、ひとつだけ。
 相手が犬にしろ人間にしろ、介護というものをやったことがないひとが、実際に頑張っているひとに偉そうにとやかく言えるようなことは何もない。とは思う。
 特に犬の場合、外野の無責任な「(犬に対する)かわいそう」が、頑張っているおうちのひとをどれだけ傷つけているか。
 外野は何も頑張ってないからこそ無責任な意見が言えるのだ …なんてことは、わんこの介護だけが当てはまることではないのだろうけれど。。

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2004年11月09日

なんだかかなしい。

 ひさしぶりにきたねこ。16歳。
 体重は以前の半分。きれいだった毛(長毛)は毛玉だらけ。
 以前から排尿がおかしいとのことで、おむつをされて。
 主訴は強からの血尿。
 その他については特に何も言われない。

 要求されないことをするのは職場のやり方に反する。
 血尿以外にも問題はあるのが、さわっていればわかる。
 ごつごつになった腎臓が、やせたからだごしに触る。
 嫌がるといわれながらおむつをされるその顔は、決して痴呆などではない。
 血尿の治療だけでそのまま帰すことに抵抗がある。
 毛玉を取るだけでも…と思うけれど、全部取れば毛がほとんどなくなる。

 飼い主に、もう16歳ですからと言われて、20歳を越える猫も今は珍しくないのだというのが精いっぱいで。
 ねこは小さないぬじゃない。
 排尿がおかしいのは、痴呆ではなくて排尿障害じゃないのか。
 …反応は薄い。

 院長の診療は、あっさりしていた。
 言外に、検査や治療を勧めても無駄に終わりそうだという気持ちが見える。

 尿検査を指示している。実際に再び来院するなら。と思う。
 尿検査から話を広げることは可能だ。
 でも、こちらの話を聞いてもらえるだろうかとも思う。

 おむつをつけられながら、じっとこちらを見ていた目が、ひどく印象に残っている。

 正解はない。
 消化不良。

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2004年11月04日

またゴールデンの腹腔内腫瘍

 ゴールデンレトリバーの腫瘍。やっぱり脾臓だった。直径10cmを越える。血管肉腫か何かなんだろう。病理検査に出して結果を待つ。
 無事切除できて。
 術後も予断を許さないのであるけれども。
 
 ど。
 麻酔から覚めたと思ったら無理やり起き上がろうとするし、ようやくケージに入れて、ちょっと目を離した隙に、点滴を留置針ごと取ってしまった。
 麻酔から覚めたばかりでエリザベスカラーをつけるのもかわいそうかしらと思ってた矢先に……
 
 そんなことするんだったら絶対元気にならないと許さないぞおまえーっ。むきーっ。
 
 大きな手術のあとで、こんなことをやらかす子は久しぶり。今後の治療がまともにできるといいなぁ。…てゆか、できないととてもとても困りますぅ。

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2004年10月05日

じゅげむーっ

 たまに書こうとすると、重過ぎて書けない。
 遅くなったけどメンテナンス終わりましたーとのメールが来た今日。ほんとになんと書けばいいやら。

 あー…。

 昨日。診察時間終了間際。
 一昨日から吐く。今日になってたくさん吐いてる。というダックスが来た。9歳。1歳のころに、プラムかなにかの種を飲み込んで、腸閉塞になって開腹手術をしたことがある。嘔吐の出方が異物誤飲の症状に似ていたので、またそうなのかなと思って、レントゲン。
 お腹に、腫瘤があった。直径6cmほど。彼の体からすると、かなり大きい。超音波検査と続けて、脾臓の疑いが強いけれど、嘔吐を考えると消化管にできている可能性もある。ということで、翌日、朝から時間のかかる検査をする予定だった。

 その「翌日」にあたる今日。
 診察時間がはじまる前に電話がかかってきた。昨晩から呼吸がおかしかったことと、倒れてそのまま呼吸が止まっているかもしれない。とのことで。
 連れてこられたときには、もう亡くなっていた。

 おうちのひとも納得いかないし、こちらも納得いかない。おうちのひとの希望で、剖検をすることになった。
 それが今日の朝いちばんの仕事。

 お腹にメスを入れると、血の海だった。
 腫瘤の正体は脾臓。大きくなった腫瘤が、ぱっくりと裂けていた。今まで、脾臓の腫瘤からの出血で手術、というのは何度も経験している。それでも、脾臓の正常のサイズに比べて、こんなに大きく腫れ上がり、その上でこんな裂け方をしているのは初めて見た。

 昨晩のうちに開腹していたらと考える。でも、確定診断がついてない段階で、しかも来院したその日に開腹手術に踏み切ることはほとんどない。わからないけど開腹するというのでは、おうちのひとも受け入れがたいだろうとも思う。
 もうひとつ。あの裂け方では、脾臓摘出の手術のさなかもかなりの出血がある。輸血が必要になるが、供血犬をおいてないので、血液を入手するのは困難だ。クロスマッチの必要性も考えると、すぐに手術をするわけにはいかない。

 仕方なかったのかなぁ。。
 もっと早くに見つけることができたら。としか考えようがない。かといって、出血がない限り、自覚症状はほとんどないように思うし。

 この子、自分が初めて腸閉塞を経験した子なんである。
 こんな亡くなり方をするなんて思ってなかったよー…

投稿者 chi : 21:55 | コメント (0) | トラックバック