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2004年10月05日
じゅげむーっ
たまに書こうとすると、重過ぎて書けない。
遅くなったけどメンテナンス終わりましたーとのメールが来た今日。ほんとになんと書けばいいやら。
あー…。
昨日。診察時間終了間際。
一昨日から吐く。今日になってたくさん吐いてる。というダックスが来た。9歳。1歳のころに、プラムかなにかの種を飲み込んで、腸閉塞になって開腹手術をしたことがある。嘔吐の出方が異物誤飲の症状に似ていたので、またそうなのかなと思って、レントゲン。
お腹に、腫瘤があった。直径6cmほど。彼の体からすると、かなり大きい。超音波検査と続けて、脾臓の疑いが強いけれど、嘔吐を考えると消化管にできている可能性もある。ということで、翌日、朝から時間のかかる検査をする予定だった。
その「翌日」にあたる今日。
診察時間がはじまる前に電話がかかってきた。昨晩から呼吸がおかしかったことと、倒れてそのまま呼吸が止まっているかもしれない。とのことで。
連れてこられたときには、もう亡くなっていた。
おうちのひとも納得いかないし、こちらも納得いかない。おうちのひとの希望で、剖検をすることになった。
それが今日の朝いちばんの仕事。
お腹にメスを入れると、血の海だった。
腫瘤の正体は脾臓。大きくなった腫瘤が、ぱっくりと裂けていた。今まで、脾臓の腫瘤からの出血で手術、というのは何度も経験している。それでも、脾臓の正常のサイズに比べて、こんなに大きく腫れ上がり、その上でこんな裂け方をしているのは初めて見た。
昨晩のうちに開腹していたらと考える。でも、確定診断がついてない段階で、しかも来院したその日に開腹手術に踏み切ることはほとんどない。わからないけど開腹するというのでは、おうちのひとも受け入れがたいだろうとも思う。
もうひとつ。あの裂け方では、脾臓摘出の手術のさなかもかなりの出血がある。輸血が必要になるが、供血犬をおいてないので、血液を入手するのは困難だ。クロスマッチの必要性も考えると、すぐに手術をするわけにはいかない。
仕方なかったのかなぁ。。
もっと早くに見つけることができたら。としか考えようがない。かといって、出血がない限り、自覚症状はほとんどないように思うし。
この子、自分が初めて腸閉塞を経験した子なんである。
こんな亡くなり方をするなんて思ってなかったよー…
投稿者 chi : 2004年10月05日 21:55
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