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2006年04月06日

職業病。多分。

 うみさんの腫瘤をみつけたとき、かなりへこたれた。混合ワクチンを接種したのは昨年の暮れ。見た目は多少違うが、場所も時期も、連想した腫瘍と合致する。
 
 これがワクチン誘発性肉腫だったら。
 最初にしなくてはならないのは、椎骨の一部の切除も含む、広範囲の切除。予後はかなり悪い。
 
 ものすごくへこたれていたら、じぅいではない友達に、なぜそんなに悪い方にばかり考えるのか、と訊かれた。
 
 訊かれて考えた。
 診察の時には、症状や診察から、病気や原因を推察する。一度で何もかもが確定することはほとんどない。鑑別すべき疾患のリストから、ひとつひとつ除外していく場合も少なくない。その「鑑別すべき疾患のリスト」に、予後が悪い病気が含まれるなら、それは肝に銘じておくべきだ。
 
 プロフィールや診察、検査の結果から、最悪の事態を患者に告げておくべきであると判断したら、そう告げる。それほどではないと判断しても、自宅での投薬に反応しなかったら連絡するように指示をする。 
 
 安請け合いをして、鑑別リストの中の、「最悪の病気」だったら。
 患者も飼い主も自分自身も、目も当てられない状態になる。
 症状から見る発生率だけでは、その判断は下せない。気持ちの問題でもない。
 
 そんなこんなで。
 その対象が「うちの子」であっても、最悪の事態は考えずにはいられない。
 うちの子であるからこそ、最悪の事態を考えただけでへこたれてよれよれになっていってしまうわけで。
 
 これはもぅ、職業病ってことにしておいてください。
 
 そして今回の場合、うみさんに起きたことの「最悪の事態」があまりにもいやーなモノだったから、思いついただけでほんとにへこたれてしまったのだった。

 
 多分その先。予後を延々と考えてしまって、さらにさらにへこたれていってしまったのは、これは職業病というよりも、性格って〜やつなんだろうな。特に昨日はわんこのこともあったから、へこたれ倍増というか、二乗って感じになっていた。

 助けてもらってばかりいる。
 本当に本当に役立たずになっている間。一緒にいることで、違うことを考える余裕もできてくるし、向き合って考える落ち着き(と、勇気)も取り戻せてくる。何より、自分の中にしまいこむのではなくて、昇華ができている気がしている。

投稿者 chi : 2006年04月06日 23:03

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