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2006年06月05日

本:国家の品格

 藤原正彦 (新潮新書)

 日本は元来品格のある国であった。それは、情緒と形の文明があり、国民が武士道精神に溢れていたからである。…というようなことが主旨。詳しくは表紙カバーの折り込み部分でも参照してください。
 売れてるらしぃから、そんなことはご存じのひとの方が多いのだろうか(私は知らずに読みはじめてしまったが〜

 さて。
 今の日本でこの本がベストセラーになるのはいいことなのかもしれないと思う。戦後、GHQにより、日本人は日本人としての誇りを感じないように教育されてきたのではないかと思っている自分としては、なかなか面白い内容だった。

 ただし、著者本人が断っているように、飽くまでも個人の意見なのである。講演内容がもとになっているだけあって、語りかけてくる印象。
 内容の中は、極端なものもあるし、極論に過ぎないものや、物事を一面からしか見ずに語っている部分も散見される(意図して書かれているものかどうかはわからない)。

 それでも、論理や合理性を追及する根本的な考え方の落とし穴だとか、「平等」「自由」などに対する考え方だとか、国際人とは何かとか、挙げていけばキリがないほど、目からうろこ的な発言も多い。

 こういう意見もあるのだ。という余裕を持って読めるなら、お勧めな一冊だと思う。
 読んでみて損はないし、新しい発見があるんじゃないかなぁ。って感じでお勧めしてみる。

 そして今もし日本人であることに自信も誇りも持てないでいるひとがいたら、違う意味での一読をお勧めする。

(タイトルから連想するような小難しい感じではなくて、へーとかほーとかそれはちょっと〜などと思いながら、さっくり読み切れる。
 そぅそぅ。この本で、「惻隠」という言葉を知りました。…教養がないもんでー。

投稿者 chi : 2006年06月05日 22:40

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