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2005年06月27日

本:ヒトのオスは飼わないの?

米原万理(文春文庫)

 ロシア語通訳の著者のみのまわりの、わんこにゃんことにんげんの物語。

 変に万人受けしやすい(?)タイトルにするよりも、ストレートに猫好き・犬好きにアピールするタイトルの方が受け入れられやすいんじゃなかろうか。現に、最初の章と後日談で無理矢理タイトルにくっつけている感じもする…。
 てのが第一印象。
 
 かかりつけの獣医の言動には納得のいかないところも少なからずある。獣医もそれぞれあろうから、それでフィクションとは言いかねる。ただ、何にしても、古いタイプのセンセイなのには違いない。…んでも、投薬量の中にはツッコミを入れたくなるところも…。
 
 とかなんとか言いつつ、口絵のわんこにゃんこ写真に悩殺され、無理と道理(ねこ)との出会いの顛末にはほろほろし、と、すっかり飲み込まれた。フィクションを元にした物語の一種だと捉えているんだけれど、それでも充分たのしめた。 

 でも多分、二度は読まない。(ネタばれ含みますょ)

 ケンカする子を外に出していたら、FIVに感染するのは当たり前のことだ。かかりつけがそこを注意しないとは思えない。フィクションを多分に含んでいたとしても、この子がそういう一生の終え方をしたのは間違いないと思うし、どこかで6ブロック先のお宅の猫がFIV感染でばたばたと亡くなったとも書いているのだ。それを承知で出しているのだから、とも思う。
 感染の拡大を防ぐために外に出さないと言うなら、リスクの高い生活をしているうち、発症する前から感染の有無を定期的に調べるべきだ。FIVは猫同士のグルーミングでも感染する。感染の拡大は屋外だけで行われるわけではない。同じ理屈で物を言うなら、仲のいい同居ねこからもその子を引き離さなければならなくなる。
 それでも、発症して感染が発覚するまでは、外に出してしたいようにケンカさせるのがいちばんなんだろうか。この辺は飼い主それぞれの考え方によると思う。答えはひとに押し付けられて決まるひとつではない。ただ、ねこ自身には、ケンカをしたら治ることのない病気になるリスクがあるなんてことをわからせるのは不可能だということが前提だ。彼らはそのリスクを承知で出て行くのではない。
 
 いやそんなことは内容とはあんまし関連がないんだけれども。
 
 話に出てくる、主にマイナスの部分で、自分が出会った子たちとダブってしまった。こんな亡くなり方をした子、行方不明になった子、拗ねて家出した子。たくさんたくさん。たのしんだとはいえ、読んでる最中も読み終わってからも、本文の進行とは関係なしに、頭のどこかで自分のまわりにいる/いた子たちのことを考えている。

 まぁ、職業柄、こういう本は、ふつーのひとの読み方はできないんだと思う。しょがないわな。

余談ではあるのだけれど。この著者の他の本は、読んでみたいかなと思っている(めもがき)

投稿者 chi : 2005年06月27日 22:37

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コメント

書き忘れにゃのですニャ。
表紙のわんこイラストが、むっちゃかわいいのですニャ。
これと、口絵写真だけで、もう、手に取ってましたw

投稿者 chiにゃん : 2005年06月29日 00:57

気が向いたら、お名前に「@neko」をつけてみてくださいまし。




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