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速読について考えたついでに。

11月 28th, 2012

ところで、
井上ひさし氏の、「本の運命」という本がある。
個人的に、本好きにはたいへんお勧めな本なのだ。
文春文庫だったかな。


「井上流 本の読み方十箇条」というののなかに、
「本は、ゆっくり読むと、速く読める」
という記述がある。

ゆっくり丁寧に読むと、速くなる という理屈だったように思う。

この本に触発されて、読むことや、読んだ本に対して
もっと時間をかけていた時期があった。

その時期がいちばん、「読むことをたのしんでいた」のかもしれない。

ゆっくり丁寧に読むには時間が足りない と感じるのは
ものすごく寂しいことなのかもしれないけど、
世の中には相変わらずたくさんの本があふれ、
たくさんの「読まなくてはならないもの」もあふれている。

その中で取捨選択するために、
速読を取り入れるのもいいのかもしれない。

読んで自分に響くものに偶然出会う方法は、
これはもう自分にとっては
嗅覚のようなもの としか言いようがなくて、
書店に足しげく通っていた時期の、あの、
「本と目が合う感じ」
しかないんじゃないかと思う。

ただ、今は書店に通う時間の捻出もままならず
(いや頑張れば行けるのかもしれないとは思うものの、
 自宅から徒歩で気軽に行ける範囲に書店がないのも事実)、
最近購入した本のほとんどは、古本も含めて amazon という状態では、
「目が合う」なんてことも起こりえず。
ひとさまの書評を頼りにするけれど、
同じものでも、ひとによって受け取り方はさまざまで…

もちろん、複数のひとの意見が読めるようになったこと自体は
とても興味深いことではある。

とはいえ、「友達のお勧め」の方が確実にアタリになるのは、
やっぱり感性の近いひとが友達になるからなんだろう。

まずは自分で、
ゆっくりじっくり読みたいもの と、
そうでないものに
わけるところからはじめてみよう。

「そうでないもの」はそもそも読まないから、
ほとんどが前者になっちゃうかもしれないけど。

フォトリーディングがきちんとできるようになれば、
記憶への定着がハンパないとの話も聞くので、
もしできるようになったら、専門書に試してみたい。
気に留めておこう〜。


いやー、ホントに脳内垂れ流しでござるよコレ。

murmur & note,

  1. ねこ@mixi
    11月 28th, 2012 at 08:57 | #1

    本を味わって読むようになって、やっと本が好きになった。

    受験生の頃は、「本を読む」=「内容を身につける」が目的で、早く読み終えて中身を吸収することばかりに注意が行って、「読むこと」自体は苦痛な作業でしかなかった。
    大学に入ってアホみたいに時間ができて、「読み終わるのが寂しい、勿体ない」と思いながら読んでた頃は愉しかった。

    最近はまた、時間を確保しないと読めなくなって、「わざわざ読むからには」と身構えるようになってしまった。これはこれで愉しくない。

    そういう点で、音楽を聴くのにに近いのかもしれない。

  2. chi
    11月 30th, 2012 at 02:08 | #2

    @ねこ@mixi さん
    受験生時代に、ホントに勉強したひとというのは、
    そういう感想を持つのだなぁとしみじみしてしまいましたわー。

    時間が足りなくなってくると、
    読むことに限らず、時間を使うことに
    対価を求めるというか
    けちくさくなってしまうのかもなーって
    ちょっと思ったりしました。

    どんなにスケジュールがたてこんでいても、
    ゆたかにゆるやかに生きたいものですー…。


    「読み終わるのが寂しい、もったいない」で
    読み終わってない本があることを思い出しましたわー。うひん。
    (フィンチの嘴 何年越しだ…)

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